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2013年3月14日 (木)

日産と三菱自の共同開発軽自動車6月登場

日産自動車と三菱自動車は3月8日、共同開発車の第一弾となる新型軽自動車を六月に発売すると発表した。 2014年初めには、第二弾として軽ワゴン車を発売する。三菱自の軽乗用車ekワゴンの次期モデルで、日産はデイズという新しい車名で売り出す。エンジンや車台は共通だが、ヘッドランプなど車体前面はそれぞれ独自のデザインにした。

三菱の軽自動車の販売状況を確認してみる。


日産は三菱自とスズキからOEM供給を受けて軽自動車を販売している。今回は初めて、ガソリン車の軽を設計から開発まで手がけており、成長が続く軽自動車市場でのシェア拡大を図るという。三菱自側からみたらどうだろうか。2012年の国内軽自動車の販売実績を示す。

■2012年国内軽自動車販売台数(社団法人全国軽自動車協会連合会)
  会社     台数   シェア
 ダイハツ   674,180   34%
 スズキ    584,956   30%
 ホンダ    321,301   16%
 日産     153,337    8%
 三菱自     80,087    4%
 スバル    69,621    4%
 マツダ     52,606    3%
 トヨタ      43,259     2%
  合計   1,979,347

三菱自の販売台数は、OEMのみの日産に劣っている。同じくOEMのみのマツダが三菱自の2/3程度だから、製品が悪いのか、販売力が乏しいのか。スバルも軽自動車の自社製造から撤退したから、三菱自の下はOEM会社のみである。もし、トヨタが本気で広告出して販売したらOEMでも抜くかもしれない。グループにダイハツを抱えるからそうもいかないのだろうが。
製造台数に注目してみる。ダイハツは、スバル、トヨタに供給し、スズキは、日産とマツダに供給し、三菱自は日産に供給している。日産が複雑だが他は単純なので分別してみた。

■製造会社別の販売台数
  会社    台数   シェア
 ダイハツ  787,060   40%
 スズキ   752,832   38%
 ホンダ   321,301   16%
 三菱自   118,154    6%

三菱自のシェアは販売会社別の4%から6%になったが、ホンダの16%に大きく離されているから量による競争力には乏しいといえる。日産がスズキから供給を受けているルークス(スズキでのモデル名はパレット)は、パレットがモデルチェンジに伴い3月までで供給停止となる。スズキはパレットの後継モデルとしてスペーシアが発表されているが、このモデルはOEM供給されない。この他に日産にはモコ(スズキ名でMRワゴン)の供給を受けている。モコの最近のモデルチェンジは2011年2月である。ルークスとモコの2012年の販売台数を示す。

■日産のスズキOEM品の販売台数
OEM品   販売台数
 モコ     66,460
 ルークス  48,810
  合計   115,270

2010年から3年間同じような水準で推移している。三菱自側の論理でいけば日産からこの台数相当の注文がOEMとして入るから有り難い。しかし、日産の販売からすれば三菱自の供給体制が整うまで売る物が無い状態が発生しかねないから大変な状態であろう。モコというかMRワゴンの生産には日産の技術者が浜松に行っているという噂話が流れていたから、単純にバッヂを替えたOEM品というよりは少しだけ共同開発に近い製品になっていたと思われる。モコは後一年は供給されるだろうが、その先はフェードアウトしていくのだろう。スズキにとっても小さくない数字であるが、相手の都合なら仕方がないと別の販路をつくるのが浜松の流儀だろう。デメリットもある三菱自との共同作業に向う日産の事情を考える。2012年の軽自動車と登録車の販売台数を示す。

■2012年の国内自動車販売台数
         軽自動車   登録車    合計
 トヨタ     43,259   1,628,782  1,672,041
 ホンダ    321,301    423,717   745,018
 ダイハツ  674,180      2,990   677,170
 スズキ   584,956     87,154   672,110
 日産     153,337    464,096   617,433
 マツダ    52,606    165,755   218,361
 スバル    69,621    108,070   177,691
 三菱自    80,087     47,630   127,717

日産は国内でスズキに抜かれ5位になっている。2012年に37%を占めている軽自動車市場にホンダは既に力を入れており、ダイハツやスズキの軽自動車販売数が激減することもないだろうと考えれば、この位置が固定することも起こり得る。軽自動車市場をスズキ頼みのままでは解決できないから、残る選択肢は三菱自しかないということなのだろう。今回のモデルについて、日産と三菱自が2010年に折半出資で設けた開発会社NMKVが、商品企画から設計・開発を担当する。生産については、三菱自の主力工場である水島製作所(岡山県)が担当するが、部品の調達や生産技術面を中心に、日産側が大きく関与するという。
三菱自の経営状況は改善しているとは言えない状況にある。水島製作所の人員をNMKVに移行させて、つまり日産に事業譲渡してしまって、国内の製造を軽くするのが現実的ではないだろうか。日産のスズキOEMと現状の自社ブランド品とを合わせた台数は、登録車が0であっても現状より多い。マツダやスバルのように海外での評価が高い市場を三菱自が持たないのなら、三菱自の役割は終わったと言われることだろう。そういわれない為に電気自動車の開発をしてきたのだが、市場が成長していない。銀行と商事と重工で支えて事業を継続するには、もう一工夫必要なようである。

明日は、軽自動車の話をまとめることにする。(いろいろ手を広げたので)


一票の格差訴訟は、東京(2.43)・札幌(2.2)・仙台(2.1)が違憲とした。名古屋(2.07)は違憲状態と国会に理解を示した。どこも選挙無効とはしていない。カッコ内は当該訴訟での格差。

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