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2013年3月 1日 (金)

Jリーグ開幕

サッカーのJリーグが3月2日に開幕する。チームの成績ではなく、経営状況を見てみた。


決算の関係で、2011年のデータになっている。データはJリーグが公開しているものによった。2012年のJ1であった18チームを主に用い、参考にJ2の20チーム(町田、松本を除く)を対象とした。
いろいろな媒体で注目されるスポーツであるし、欧州のチームでの移籍金の話など聞くと、大きなお金が動くものだと思ってしまう。Jリーグの年間での営業収入と営業費用の平均を示す。また、各項目の最大のチームを金額と共に示す。

【単位:百万円】
             J1    J2   J1/J2  (最大:チーム)
-----------------------------------------------------------
営業収益      2,912  1,021   2.85   ( 5,382:浦和)
  広告料収入   1,313   484   2.71   ( 2,136:名古屋)
  入場料収入    605   165   3.67   ( 1,918:浦和)
  J配分金      229    98   2.34   (  268:浦和)
  アカデミー関連  139    60   2.32   (  425:横浜FM)
  その他収入    625   214   2.92   ( 1,353:浦和)
-----------------------------------------------------------
営業費用      2,922  1,017   2.87   ( 5,290:浦和)
  チーム人件費 1,345   433    3.11   ( 2,167:名古屋)
  試合関連経費  251     89   2.82   (  615:浦和)
  トップ運営費   264   120   2.20   (  491:名古屋)
  アカデ運営費   97     40   2.43   (  295:横浜FM)
  女子運営費     5     4   1.25   (   55:浦和)
  販管費       959   330   2.91   ( 2,302:浦和)

J1で入場料収入は平均6億円、広告収入が平均13億円である。香川真司がドルトムントからマンチェスター・Uに移籍したことで生じた移籍金は16億円と言われる。極限られた選手とはいえ、欧州リーグのチーム経営規模は日本と大きなさがある。
営業収入が最も大きいのは浦和の53億円である。収入の二本柱は広告収入と入場料収入で、広告収入が2倍強多いのが平均である。人口の少ない地方都市をホームタウンとするチームは、この二つとも確保するのが難しくなる。Jリーグのホームタウンには、プロ野球のフランチャイズの様な排他的な興行権が含まれていないが、地域密着を目指して他の都市での興業をするというのは現実的ではない。実質的にプロ野球のフランチャイズと同様になる。プロ野球は権利があるから、既得権社との交渉が可能となるが、既得権がないと道義的にできないという事情も出てくるだろう。そもそも試合数の少ないサッカーで遠征して興業としてのゲームをするというのは馴染まないとは思う。
費用は、約半分がチーム人件費で、1/3が販売管理費である。これはJ1,J2に共通している。
J1とJ2を比較すると、J2の収入と費用はJ1の1/3と思って良い。つまり、構成比は変わらないから、J1からJ2に落ちたチームはチーム人件費を1/3にする必要に迫られる。J2になったから広告費を増やしたいというは、注目度が下がった媒体に高い広告を載せろということだから有り得ない。G大阪は20億円のチーム人件費を支出していたが、かなり圧縮しなければならない。親会社の景気が避ければ広告費に頼れるが、景気の良くない業種であり難しいだろう。一年我慢するということだろうか。どこから借入するかとか、利益の少ない(出ていない)会社は資金繰りに苦労する。J2のチーム人件費は平均で見るには問題がある。2.5億円未満のチームが7チームあり、5億円未満だと15チームとなる。5億円を超えているのは大きい方から順に、F東京,千葉,京都,札幌,湘南であり、F東京と札幌は翌年J1に昇格 (もう1チームは鳥栖) した。J1に上がるには相応の選手を確保しなければならず、その為には費用が掛かるということを示している。下にJ2のデータを示す。

■J2のチーム人件費 【単位:百万円】
 区間  チーム数
    0    0
  250   7
  500   8
  750   2
 1,000   1
 1,250   1
 1,500   1
 1,750   0
 2,000   0

平均   433
最大  1,427
最小   152

高い年俸の優秀な選手を集めれば勝てる可能性は高まるが、それだけではないのは過去の数多の例が示している。逆の例として、J1に昇格した鳥栖のチーム人件費は353であるが、J1でも好成績を残している。ジュニアやユースといった下部組織を強化することで、費用を圧縮しつつトップチームを強くするのが近年のJリーグの方向であるが、トップチームになると欧州リーグに向かってしまうということに悩みを抱える。契約年数を長くすれば移籍金が生じるので経営上は潤うのだが、長期負担を嫌って (というより負担できない経営状況なのだが) 契約が切れると、安い日本人選手を求める欧州に移籍されてしまう。
Jリーグの問題はは、日の丸付きのチームは客を集めるが、個別のチームは客もテレビ中継も期待できないことにある。おまけに、日の丸付きの選手は欧州リーグにさらわれてしまっている。プロ野球はWBCがそれほど注目されないで困っているが、日の丸好きの国民はいざ始まれば興奮する。なんたって日の丸さえあれば、カーリングだってアーチェリーだって盛り上げるのだから。日の丸に頼らない商売にしないといけないが、日の丸の方も収入が伸びずに困っているという話を少し前に聞いたから、スポーツを継続すること、即ち、ビジネスとして最低線を超えるレベルを維持し続けることは大変な努力が必要なようである。国に頼ると批難されるが、金儲けに目が集まると嫌われるというのは困ったものである。
関係者の苦労は察するに余りある。20年継続していることに敬意を表するものである。もうすぐ80年のプロ野球にこの時間で近付いたのは世界に繋がっていることが最大の要素だとしても、ホームタウンでの地道な活動の成果であることは認めなければいけない。2013年の開幕を前に、ますますの発展を祈念するものである。


目立つところより、目立たぬところの作業が成果を決めるのはどんな仕事にも共通する。

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