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2013年2月24日 (日)

プーチン大統領が北方領土問題の進展に意欲

安倍晋三首相の特使としてロシアを訪問した森喜朗元首相は2月21日、モスクワのクレムリン(大統領府)でプーチン大統領と会談を行った。大統領は日ロ関係について「平和条約がないのは異常な事態だ」と指摘して、北方領土問題の解決に前向きな姿勢を示したという。


ロシアという国について考える。


ロシア連邦は、ソビエト連邦の後継国家であると認識している。ソビエトはソビエト社会主義共和国連邦といい、1922年に成立して1991年に解体消滅した国である。世界最初の社会主義国家であり、共産党の一党独裁であった。日本での関心は、軍事国家で米国と対立していたことであろう。現在のロシアの体制は、広く解釈すれば私有財産も認めているから自由主義経済といってもいいだろう。独裁体制と民主化のあり方の評価が難しいところだろう。これはひとまず横に置くことにする。
ロシアと崩壊前のソ連の経済的な比較をしておく。

■ ロシア
   面積 17,075,200km2
   人口 143,340,000人 (2012年)
   GDP  1兆8,570億ドル (2011年)

■ ソ連
   GDP 2兆6595億ドル (1989年)
   人口 2億9093万人  (1990年)


一人当たりのGDPは12,993ドルであり、先進国と比較すると依然低い水準である。国の面積についてはソ連から独立した国があっても依然として第一位である。注目すべきは人口である。人口1億4334万人というのは日本より少し多い程度である。また、2010年の推計によると65歳以上の割合は12.9% (日本は23.0%) と少ない。第二次世界大戦の戦死者数が、1,450万人と多く (日本は230万人、独285万人、伊28万人、米29万人=民間人含まず、諸説あり) 人口構成が歪になっている。ロシア人の平均寿命は、女74.9・男63.0 (2010年) であり、OECD平均の女82.8・男77.3に比べ著しく低い。男女差の大きさも顕著で、世界で最も差が大きいと言われる。これなら年金問題も生じないが、それがうれしい話かどうかはまた別の問題ではある。
ソ連時代の計画経済期、1991年ソ連邦崩壊後の市場経済期を通じて、起伏はあるが、全体に、男女とも低下傾向をたどるとともに、男性の平均寿命が特に低下した。女性はピーク時より3歳程度、男性はピーク時から7歳程度平均寿命が低下した。この間に、OECD各国は全体として順調に平均寿命を伸ばしている。こうした推移は、特に男性の死亡率の上昇によるものであり、国連開発計画「人間開発報告書2005」によると、「1992年から2001年の間までの死者数は、例年より250万人から300万人多かったと推定される。戦争や飢餓、あるいは伝染病がないのに、これほどの規模の人命が失われたことは近年の歴史ではなかったことである」とある。ロシアでは一般的な先進国病の他に感染症が増加している。結核やエイズの脅威が増大し、殺人や自殺、アルコールの過剰摂取と社会に問題がある様子が窺える。
共産党の独裁体制から抜け出して (完全でないにしても) 自由競争の働く国において、ソ連時代の軍事国家に戻る選択肢は成立しえないだろう。それでも、東欧の旧ソ連国との緊張関係によって標準以上の軍事費を投じるのだろうが。

ロシアの経済発展は石油を中心としたエネルギー資源の輸出によっている。エネルギー資源には天然ガスの輸出、つまりパイプラインによる輸出も含まれる。ロシアは、極東エリアにおいて天然ガス開発に力を入れている。この資源が日本に届くか否かは、この国のエネルギー政策に多くな影響を与えるだろう。今回のロシア大統領との会談について、北方領土の返還交渉についてマスコミは注目するが、ロシア側は極東のエネルギー開発の進め方についての思惑があるだろう。複雑な話になりそうなので、次回に送ることとする。


外交問題は調べることが多くて大変だ。

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