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2013年2月19日 (火)

G20での議論と影響

モスクワでの主要20カ国・地域 (G20) 財務相・中央銀行総裁会議は、2月16日夕 (現地時間) に共同声明を採択し、閉幕した。


自国通貨の切り下げ競争を避けることを確認したというが、どういうことかを考えてみる。

国が亡ぶときは、その国の通貨が捨てられるから、その前兆として通貨の値下がり=価値の喪失が発生する。通貨が上がって亡んだ国は無いというのが歴史の示すところであるが、今日でも同じ意味で解釈して良いかに不安はある。暴落前に沸騰するとすれば、沸騰させなければ暴落しないかと言えば、そんなことはない。通貨が上がることはその国の価値が上がることであるから、その方向性は正しいと考えている。特に、資源を外国に依存している日本では通貨が下がることは、物を買えないことに直結するから危険な話である。
自民党政権は円を下げて製品の価格競争力を向上させるアピールをしてきた。お気軽に輸出依存の製造業のお先棒を担ぐような態度が不満だが、震災以降の急激な円高は国内製造業の利益を削ぎ、価格競争力を失わせて、国内の景気悪化を引き起こしているのは事実である。それなら円がどのくらい安ければ幸せなのか。1ドルが250円 (1983年) になったときもこれでは国内産業が潰れると叫ばれた。130円 (1988年) を切ったら海外に行くしかないと言っていた。95円 (1995年) を切るところまでいくと止めるしかないとメディアは伝えた。どのときも大変であったが、本当に大変だったのはその変化が急激であったからである。急激な変化は、100円の製品として計画されたものが、売れる頃には90円の価値しかなくなるから困るのである。90円で安定してくれれば、90円で利益が出る工夫をする。それが商売である。無論、できないならば止める。
政治家は単純化した話を好むから、円が安くなれば景気が良くなると言っているが、問題はそれほど単純ではない。近年、穀物価格は値上がり傾向で推移してきたが、円高のおかげで国内価格が上昇しないで済んだ。エネルギー価格も同様で、東日本大震災の影響で天然ガスの引き合いが強くなり、スポット取引を中心に値上がりが著しいが、円高でしのいできた。今後はそうはいかないから、円安の影響は市場までの時間が短いガソリン価格に表れ始めて、値上がりが伝えられている。パンの値上げも近いだろう。(こっちは国の管理している関税の適用で調整可能だが、入る税金を減らして安くするだけの話になる)
電気料金も円安になれば値上がりは避けられないのは同じである。しかし、こちらは少し複雑な構成になっていて、資源調達の安定確保の目的で長期契約で燃料の六割強を確保しているから、資源相場の影響 (話題になるのはスポット物である) は薄められる。為替変動も経営に大きな影響を及ぼすから、為替のリスクヘッジはするなど工夫をする。逆にこれが、資源が安くなっても電気が安くならない理由になっている。

G20の声明は為替を市場にまかせるということである。自由な市場で自由な取引がなされていれば、そんなにおかしなことにはならないという考え方である。これは素朴な考え方ではあるが、お利口な気がしないやり方ではある。しかし、これ以外の方法では上手くいかないのも事実である。意図を持った動きは、たとえそれが精査されたものであっても、想像もしない第三国で大きな事故を引き起こす引き鉄になりかねない。成り行きであれば、いろいろなところにゴツゴツとぶつかり問題を起こすが、その程度で収まるところに収まる。
声明の本当の狙いは別にあるのだろう。自国の産業を守る為に保護貿易的に為替介入をするのは許さないというのは、自由貿易を掲げていれば当然の話で目新しいことではない。日本の新たに政権に復帰した保守政党が、震災復興を含め課題が山積されていて大変なことも理解していよう。つまり、小さな事なら目を瞑るが、大きなことは無視できないと言う話である。小さなことと大きなことの境は、為替レートの震災後の投機的な動きの修正作業までといったところである。それ以上は駄目だと宣言したと取れる。
現在、国際市場で取引される主な通貨は、米ドル、ユーロ、円であろう。これらは投機筋の派手な動きや中央銀行の介入があろうとも、全体としては市場原理に従っていると考えて良い。経済圏としては既に大きい中国元は依然固定相場で、中国政府の意思により決定されている。これこそがG20声明の市場原理に従えのターゲットである。ここから駄目の線引きを曖昧にすれば、中国元の管理も許されるから許容範囲を限定した。もちろん、輸出産業を活性化する為に円安に誘導するのと同じことが、最近米ドルに対し値上がり傾向の韓国ウォンにも言えるのである。
おそらく自国通貨を下げる競争は表に出ないように配慮された形で継続するだろう。市場の秩序の維持より、自国経済を優先するから今日の混乱がある。急に市場原理に従ってなどとは口は動いても、心は動かない。それでも少しだけ理性と言う抑止力が働けば、暴走は防げる効果がある。怖いのは日常が暴走である共産党の国である。

使い慣れないのでさっきも跳んだ。それ故、後ろはカットした。

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