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2013年2月 1日 (金)

犯罪白書 2012年版-1

ここで扱うことのない刑事事件について、全体を眺めてみようと考えて犯罪白書を読んでみた。といっても、図書館でめくった程度である。内容についてはほとんどがウェブ上で見られるようになっているようだ。しかし、本になっていると読み易くて助かる。法務省が発行していてデータ用のCD-ROM付き339頁で、価格は税別で2875円である。大風呂敷を広げるつもりはさらさらないが、一回では終わりそうにないから分割して、何回になるかは成り行きとする。

犯罪の発生件数を知りたいが、犯罪は被害者が認識しないと誰も知らないというものもあるので、届け出があったものだけしか統計に残らない。しかし、これが継続して取られて公表されていればマクロな治安状態を示すことにはある。この犯罪数を認知件数と称する。それに伴い、検挙される人が出てくると言う図式である。発生率は人口10万人当たりの件数で、検挙率は検挙件数を認知件数で割った値である。
一般刑法犯とは、刑法犯から自動車運転過失致死傷罪、交通事故に係る業務上過失致死傷罪・重過失致死傷罪などを除いたものを指す。さらに、一般刑法犯から窃盗を除いたもの、自動車運転過失致死傷等のみを分けてある。2011年度の結果を示す。

                 認知件数   検挙件数  検挙人員
刑法犯            2,139,725   1,121,500   986,068
一般刑法犯         1,481,098    462,873   305,951
窃盗を除く一般刑法犯    347,971    156,949   137,437
自動車運転過失致死傷等 658,627      ―     680,117

                  発生率   検挙率
刑法犯             1,674.3   52.4%
一般刑法犯          1,158.9   31.3%
窃盗を除く一般刑法犯     272.3   45.1%
自動車運転過失致死傷等  515.4    ―

犯罪認知件数で窃盗が過半数を占める。2002年から検挙率が上昇し、2003年から認知件数も減少に転じるなど状況の改善がみられる。近年、日本の治安が悪くなり、犯罪が増えている、または、凶悪犯罪が増加している、もしくは、検挙率が下がっている、というようなイメージがあるが、凶悪犯罪の項以外は悪くなっていないことが確認できる。もっと下がった方が良いのはもちろんだが、冤罪や総合的な暮らしやすさも関係するから簡単ではない。強硬な軍事政権下で自由が制限されれば犯罪発生は少ないと思われるが、この状態だと色々と犯罪になる要素が増えてしまうかもしれない。冤罪と犯罪の境目も難しそうである。まあ、この国はそれほど難しくないからこんなブログも書ける。脱線が過ぎた。先進国の比較をする。2010年のデータを採用した。各国で統計上の扱いに差があるが無視した。

■主要な犯罪
         日本    仏国    独国    英国    米国
認知件数 1,586,189 3,447,903  5,933,278 4,150,097 10,329,135
発生率     1,239    5,491     7,253    7,513     3,346
検挙率     31.4%    37.4%     56.0%    27.8%     21.7%

■殺人
        日本   仏国  独国   英国    米国
認知件数  1,103  1,746  2,218   1,167   14,748
発生率    0.9    2.8    2.7     2.7      4.8
検挙率   96.9%   90.7%  95.4%   81.0%    94.8%

米国で犯罪の発生率が高いのは予想通りだが、殺人の検挙率で日本がとっても優秀かと思ったら米国との差は小さかった。間違った認識は改めなければならない。また、芸術の国では、街は美しくても、道路には犬の糞がころがり、地下にはテロリストが潜伏すると信じていたが、これも改める必要があるかもしれない。しかし、犬の糞の始末をしないのは違反行為で、地下のテロリストは認知されていない可能性もあるのだが。いちいち言い訳が長い。先進国では国による差はあってもだいたい似た水準にあると考えて良いという結論にする。
日本の犯罪について戻る。もっとも多い窃盗について分類しているので結果を示す。
  侵入窃盗    11.1%
  乗り物盗   38.0%
  非侵入窃盗  50.9%
乗り物盗で自転車29.8%、オートバイ6.0%、自動車2.2%である。非侵入は万引き12.5%、車上ねらい9.9%が多い。自転車盗みと万引きで窃盗の40%以上になる。自転車盗みは警察も捜査しているのか怪しいと思っている。なんといっても自転車の防犯登録の有効期限は最短の県で5年であるからである。一度登録した自転車の抹消と再届出も少々複雑である。防犯目的を達成する気があるなら、新規の登録シールにはICカードが埋め込まれた物にすれば情報も増やせるし情報の参照も早くなる。天下り先の確保を目指すなら世間の人がもっともだと思う程度の根拠を示さなければならない。犯罪抑止力を発揮する仕組みの構築は警察の仕事だろう。窃盗防止の役に立たない登録シールは、警察官が職務質問する言い訳の役にしかたっていない。これは目的外利用ではないかと思うが、少数意見だろう。
再犯の話まで行こうと思ったが、とても行けなかった。むやみに数字を拾うからなのは承知しているが、根拠もなしに警察批判をするつもりもない。そもそも警察批判はしていないつもりだ。従兄は警察官しているし、学校の先輩や後輩にもいる。言い訳が長くなるほど批判的な考えであることを示しているようだ。まあ、思想的には警察官よりパリの地下に居る方に近いことは否定しない。
ということで、この項は続く。


他の白書なり青書 (外交だけ色違い) で適当なものを選べばよいが、これを選んだには何かの縁か。次はエネルギー白書にしようかな。

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