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2013年2月25日 (月)

プーチン大統領が北方領土問題の進展に意欲-2

ロシアの経済事情についての続き。


ロシア経済を支えているのは石油などの化石燃料を中心とした資源の輸出である。経済発展が著しいといっても、一部の富裕層に富が集中し、国民全体に行き渡らない状態は途上国の途上である所以である。
極東の状態はロシアとしては深刻である。天然ガスなどの資源は豊富であるものの加工産業は乏しい国情で、資源と一次産業の極東地域は魅力は乏しく流出が著しい。その一方で、中国人の流入が大きと言われる。放置されたコルホーズを中国人が再建して組織運営している状況もあるらしい。コルホーズというのは久しぶりに聞いた言葉だが、今でも生きている制度のようである。日本でも農業の株式会社が認められているから、大組織になって不景気の後に、会社更生されるようになったら国有化されてコルホーズになるかもしれない。気の長い話だが、そんなことにはならないだろうが。
極東の中国人の増加は、ロシア・中国間の領土問題 (1969年から) は2004年の国境の画定で終了したのだが、ロシアの譲歩が目立つ交渉であったこともあり、中国がロシア高官への賄賂があったとか噂話に事欠かない。ロシアでは話題にしたくないのか、してはいけないのかあまり触れられない事象のようである。そんな国境とは無関係に、中華人民共和国の極東自治区になってもおかしくない状況に入っているようである。ロシア政府も放置できないので、注意はしているようだが危険な状況に達していないというのが公式見解になっている。そもそも極東はどの国のものかというと疑問もでてくる。最近の拡張主義傾向に従えば、中国のものであると言い出しかねない。ロシアにとって厄介な問題である。
ソ連時代、中国は兵器を購入して軍を整備してきた歴史があり、ソ連の仲間に属する位置付けであったが、近年の中国の経済成長によりロシアは中国のエネルギー資源の供給元の位置に変化している。中国が優位になったことが、ロシアにとって嬉しい話であるはずはない。欧州側には資源の売り先がいくつもあるのだが、極東では中国のみとなっている。極東の開発とともに、顧客開拓も極東ロシアの課題である。もちろん、資源意外の産業を興すことも重要である。

そんなロシア極東の状況を頭に入れておいて、日本の都合の良い話を考える。
天然ガスを輸入したい。それも液化して船で運ぶのでは国際競争力に劣るのは明白だから、パイプラインを敷設する。パイプラインでは1,000km程度は普通の距離なので、例えばシベリアからなら日立港まで1,000km、ウラジオストクから新潟なら800kmと言った距離である。日立や新潟はLNGの受け入れ基地のあるところとして代表させたが他であっても問題はない。船で運ぶより安全という考え方も成り立つだろう。(移し替えに危険があると考えれば) このほかにも、電力の供給も考えられる。こちらの方が技術的な課題が大きい気がする。やるなら、直流送電だろうが。資源を輸出するより、電力に変えて送る方がロシアが付加価値を生むことになるから好ましい部分はある。
最近下記のニュースが流れた。

ロシア極東ウラジオストクで2月25日、トヨタ自動車のランドクルーザープラドのロシア西部向けに、シベリア鉄道を利用してしての出荷が始まった。最初の16台が自動車専用の鉄道貨車に積み込まれ、モスクワに運ばれる。生産はロシア自動車大手ソレルスと三井物産の合弁会社で、トヨタの田原工場から部品を調達する。2月18日に組み立て生産が始まった。当初は月間千台を生産予定で、販売市場はロシア西部が想定されている。

新興市場であるロシアへの進出は、自動車会社の経営者にとっては検討課題のひとつとなろう。ロシアでの新車販売台数の推移を示す。単位は千台である。

■ ロシアの新車販売台数
 年   千台
 
 
 2005  1,298
 2006  1,840
 2007  2,561
 2008  2,924
 2009  1,466
 2010  1,911
 2011  2,653
 2012  2,935

2009年のリーマンショックの影響で減少した影響があるものの成長基調にある。資本の解釈に微妙な問題を含むとは思うが、2005年にはロシア資本が88%であったものが、2009年には55%、2012年には23%になっている。外国資本の企業の成長には、ロシアでは渋滞であっても自動車を使うことが影響していると考えられる。地下鉄は貧乏人が使うもので、便利であるかどうかより嫌われる手段は使われないということのようだ。当然、見栄は張るだろう。国民一人当たりのGDPが低くても、富裕層は十分潤っているから、ドイツの大型車が売れることになる。西欧の高級車には無視できない市場である。トヨタは欧州側に既に進出しているが、合弁でウラジオストクにも進出した。海外で人気のランドクルーザーの小さい方であるが、適切な選択だろう。
極東に、自動車会社が進出したり、発電設備 (当然、天然ガス) を輸出したり、場合によっては鉄道の整備も重要になるかもしれない。ビザを取るとか、製品輸出の手続きだとか、煩雑と言うより禁止に近い状況を改めなければ民間の進出は難しい。これはお互い様の話であるから、ロシアでも面倒と思う人は多くいるだろう。

米国のシェールガスが安いといっても液化して輸送しては高くなる。それも買うが、もっと安いパイプライン接続した天然ガスを極東ロシアから調達する。それがエネルギーのリスク管理であろう。原発が使えるか否かに関係なしに重要である。不確定な未来に対する対応の基本は選択肢を増やすことである。しかし、抱えきれないほど選択肢をもってはいけない。ロシアの札は持たなければいけないものである。
中国の台頭はロシアにも脅威であり、極東エリアでの緊張は国力を分散させることでロシアにとって好ましくない。ロシアは国境問題を片付けていて、残っている問題はグルジアと日本を残すのみとなっている。日本は領土問題というより、経済強力のあり方として検討するのが本当だろう。北方四島の返還は重要だが、そこに留まらず両国の利益の為に協力するのが良い。日本共産党のいう、千島列島も日本の領土とする主張は論理的には支持できるものだが、領土は歴史で決めるより両国で協議して決めるよりないだろう。領土は1ミリも譲れないというのはどの国でも共通の価値観であるから、それを超える結果を出すのが現在の政治家に求められる仕事である。


話題を広げ過ぎてまとまりがない。

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