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2013年1月28日 (月)

セブンイレブン:セルフ式コーヒー全国展開

セブン-イレブン・ジャパンは1月28日、セルフ式のオリジナル機器でレギュラーコーヒーを提供する「セブン カフェ」を一月末から順次、全国展開すると発表した。1杯100円で、レジでカップを購入し、セルフサービスで入れる仕組みで、八月までに全国1万5000店の導入を完了する。年間の販売目標は3億杯、売上高は300億円超を想定している。セブン カフェで使用する豆はアラビカ種で、10度以下に保つチルド配送を活用して焙煎後の品質を維持、抽出には軟水を使い、一杯ごとにペーパードリップするなど素材と製法にこだわった。低価格で上質なコーヒーを提供することで、スイーツや調理パンなどほかの商品を同時に購入してもらうことを想定。昨年夏から先行して扱いを始めた北海道や鹿児島県では、調理パンの売り上げが30%増、スイーツが同20%増となったという。井阪隆一社長は「缶コーヒーより女性に支持されるはず。いままでにないセブン-イレブンの使い方を根付かせたい」と話している。


「SEVEN CAFE」は、“近くて便利”なお店でありたいセブンイレブン、お客様にとって「より豊かでより上質な時間」を提供することをコンセプトに、クリエイティブディレクター佐藤可士和プロデュースのもと立ち上げる新しいブランドであるとのことである。なかなか赤面ものの言葉が並ぶ発表資料であるが、新しいデザインが受けるかどうかは天才にしか分からないから、この恥ずかしい文章は経営幹部を説得し、ウルサ型の株主を黙らせる効果しか期待していないのだろう。
天才でなくても売れたか売れなかったかは理解できるので、誰にどうやって売ろうとしているのかを想像してみることにする。

コーヒー飲料は季節を問わずに売れる商品である。炭酸飲料は冬には売上が落ちる。以前は、温かいお茶がPETボトルでなかったので冬は難しかったのだろうが、最近はよく見かけるからそれなりに売れるのだろう。インフルエンザのときに、スポーツドリンクが重宝した。できることなら常温のものが欲しかったが、(飲む上では温かい方が好ましいがオレンジキャップのPETボトルでもあるまいと我慢する)冷えたものしかコンビニは扱っていなかった。病人ばかりを相手にできないから、そんな品揃えもないだろうがちょっと工夫すれば売れるかもしれない。店の工夫を歓迎するチェーンとそうでないチェーンがあるようなので、実現性は分からない。元気になったらそれほど飲みたくないという難点はある。

コーヒーは売れそうであるが、現在でも缶コーヒーはいろいろある。私は缶やPETの容器を好まず、ビンや紙を好む変わった嗜好があるので缶コーヒーはほとんど飲まない。嗜好品には便利を求める必要はないと考えているから、不便なものを上等として、手間と時間を掛けるのが正しい姿と考えている。こんな客を相手にしては経済的に成り立たないのがコンビニ業界だから、個人の趣味は無視しよう。
コンビニで見ているとコーヒーを買うのは男性が圧倒的に多いようだ。しかし、街のコーヒーショップでは女性客を多く見かける。つまり潜在的な顧客がここにあると考えたようだ。先行導入した北海道、秋田県、鹿児島県の約1000店舗の結果として、30~50代の女性に高く受け入れられたという。この地域を代表にして良いのか疑問があるが、話を先に進める。
佐藤可士和のコメントが発表されている。

コーヒーはのどを潤したい、味を楽しみたいといった欲求を満たすだけでなく、私たちにくつろいだ気分やゆったりした時間を提供してくれる特別な飲み物だと思います。このSEVEN CAFEは、コーヒーを楽しむ日常の時間をより上質にしていきたいという思いで取り組みました。セブンイレブンの店舗でコーヒーを淹れる瞬間から、家や会社で飲む時までの毎日の時間が、豊かでホッと安らぐひとときとなってほしいという願いが込められています。

店舗で飲むのかと思わせておいて、店舗では飲まないのである。つまりテイクアウトのみである。女性客の取り込みが出来ないと、缶コーヒーの置き換えに留まる可能性がある。豆や水にこだわって、香りや味の良いものになっていると言っているが、それ以外の表現は出ないのが宣伝の世界である。こればかりは実物を確認するよりない。専用サーバからミルクまでプロデュースしているそうである。
店舗で飲むわけでなければ調理パンやスイーツの売上が増えた理由が理解できないが、朝食をオフィスで食べるような客を取り込むということなのだろう。これならコーヒーショップのイメージに重なる。しかし、店のオーナーからすれば1日60杯の販売の為にスペースと手間を取られるのは有り難くない話だろう。セブンイレブンの平均年間売上は234百万円で、今回のコーヒーの店舗当たりの平均売上は2百万円だから集客力につながらないと嬉しくない。缶コーヒーを売るより店の取り分が大きいことがインセンティブになるのだろう。少々強引でも一斉にある程度の店で行わないと効果が期待できない。これがセブンイレブンの流儀である。これまで一部の店舗(約2000店舗)で、エスプレッソコーヒーを提供するバリスターズカフェを展開してきたが、今後、セブンカフェに置き換えていくという。似た商品が二つあってはならないのは原則だろう。

コーヒーをセルフにするのは店の負担を小さくするのに必要なのだろう。都心では100杯/日くらい売りたいだろうが、コンビニとコーヒーショップは最適な場所が違うだろうから分からない。導入する店を選びたいが、そういう例外を好まないのがこのチェーンの特徴ではある。便利を全面に出す商売は、手間と時間(必然的に金も)を掛けることを楽しむ商品と相性が悪い。そんなものはないと思ってはいけない。見晴らしの良い喫茶店でコーヒーをゆっくりと楽しむのは便利を求めていない。合理性だけが尺度ではない。しかし、多くは経済的合理性(コストパフォーマンスで代表される)で決定される。この合理性に魂を売って、経済の悪魔の下僕として働くもよし、不経済な自由人で生きるもよし。幸せはコスパで決まらない(たぶん)から楽しいのであろう。果たして成功するのか。


コーヒーより紅茶、紅茶より緑茶を好む。無論、急須で入れる。上手くはないがお茶摘みもする。そうでないと嗜好品にならない。

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