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2013年1月10日 (木)

富裕層の課税引き上げへ

政府・自民党は、裕福な人の相続税と所得税を2015年から引き上げる方向で調整に入った。来年度税制改正に盛り込む。相続税は遺産のうち課税されない枠(基礎控除)を減らして相続税を納める人を増やし、所得税は高所得者にかかる40%の最高税率引き上げを検討する。2014年4月の消費増税に合わせ、裕福な人により負担してもらう。


相続税について考える。
相続税は亡くなった人(被相続人)が残した遺産(現預金や不動産など)に掛る。ただ、遺産のうち5,000万円までと、法律に基づいて相続する人1人につき1,000万円が基礎控除(5,000万円+法定相続人数×1,000万円)になり、この分には税金がかからない。たとえば8,000万円の遺産を3人で相続するなら、相続税は発生しない。
相続税の計算の流れは、被相続人の財産から負債と葬儀費用を引いて対象財産額を算出する。相続人の数によって上記の基礎控除額が引かれ法定相続額が決まる。課税率は累進性なので下記の通りである。

------------------------------------------
法定相続分に対する
 取得金額              税率  控除額
1,000万円以下            10%    -
1,000万円超~3,000万円以下  15%     50万円
3,000万円超~5,000万円以下  20%    200万円
5,000万円超~1億円以下     30%    700万円
1億円超~3億円以下       40%  1,700万円
3億円超                 50%  4,700万円
------------------------------------------

配偶者がいる場合は、配偶者が半分までの財産には非課税になる。具体例で考える。
■被相続人の夫が亡くなった。相続人は妻と子供が二人であった。夫の財産は自宅(4,000万円)、子供用に買ったマンション(3,000万円)、預貯金等が3,000万円で、葬儀費用や家財品は無視できるものとする。
財産の合計は1億円になるから、2,000万円が課税されるように見えるが、妻が5,000万円相続すれば課税額は0になる。その後、妻が亡くなっても相続財産5,000万円だから相続税は生じない。
妻が亡くなっていて、被相続人が夫で子供が二人の場合であれば3,000万円が課税対象となるから、50万円の控除額を引いて15%の税率を掛けると相続税は442.5万円となる。ただし、小規模宅地の評価減制度で、一人につき最大400m2まで最大80%引きできるから、同居していれば税金は生じない場合がある。
このいい加減な話を信じないで、詳しくは専門家に相談して下さい。

サラリーマンの生涯賃金が大卒者で3億円と言われるから、1/3以上を残した場合に税金が生じると考えられる。(生涯賃金には退職金が含まれないので注意) ということは、相続税がどのくらいの人で発生しているかというと、概算では20人に1人くらいといわれる。実際には1987年には亡くなった人の7.9%に相続税がかかっていたのに、2010年には4.2%に減ったという。
2012年度の税収予算額は、相続税14,300億円となっている。年100万人が亡くなるとすると、平均143万円で、払っている人だけで平均すると約3,400万円となる。

しかし、翻って考えるに、相続財産は既に税金を払ってつくったものである。これに課税するのは二重課税ではないかと感じる。子供にとって親の財産は不労所得だというなら、金額の大小に依らず定率課税の方が相応しいだろう。親から貰った不動産を再度相続するのだからというのも、現在相続が発生しているほとんどは戦後の法律で相続税を払っているはずで、これも重い累進課税で税金を払って取得した財産である。
歳を取ったら金を使いきって、足らなければ国に面倒を見てもらうというスタイルと、財産を子孫に少しでも残すというスタイルで、この国の保守政党は後者を支持しているものと考える。前者には子供が面倒を見るものだと主張する思想ではなかろうか。ならば、自民党が相続税を高額者に上げる方向に賛成するのは理解し難い。低所得者に支持母体があるパートナーの政党になびいたのだろうか。相続税を上げる方向なら、所得税を下げる方向がバランスだと思うが、そうもしない。思想の感じない行動の背景には、バラマキに使う財源が欲しいという強い主張があるように見えてしまう。きっとそんなことはないのだろうから、何を考えているのか示して貰いたいものだと思う次第である。


全ての人に定率で相続税を掛ける方が財務省好みだと思うのだが。

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