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2012年12月 7日 (金)

新規の発電所計画

新規の発電所を建設し稼働させるまでの時間は十年程度を要するようだ。この新規は、既存の発電所に増設するものではなく、全く新たな建設場所に発電所を造る場合を指す。原子力発電所を停止させて、その分に相当するこの国の発電の10%を賄おうことを前提とする。


発電のエネルギー源を考える。
(1) LNG
(2) 太陽光
(3) 風力
(4) 地熱
といったところがよく話題になっている。
それぞれ、今日作業を開始したら明日電力を受けられる訳ではない。どれも相当の年数を要する。工事の許認可作業が大規模工事になれば負担が大きい。公共性の高い工事だから環境影響評価を簡素化して良いとはだれも言ってくれない。それで問題が起きたら行政側がもろもろ負担しなければならないから、電力の利便性を優先する役人はいない。
LNGは、LNGの供給基地が必要だが、受け入れ基地を造るのは簡単でない。2012年作業を開始した東京ガスの日立港のLNG基地は2015年に開始を目指すという。LNGについては、2009年7月に国会論議もないままに成立した「改正代替エネルギー法」(非化石エネルギー法)と新法「非化石・化石利用促進法」が天然ガス叩きをして、原発を推進したとする説もある。時は自民党の末期である。世の政策に翻弄される。天然ガスの安定供給実現の為に、広域のパイプライン構想があるが、ガス事業者には広大な計画に対応する体力はない。これこそ政治が絡まないといけないが、政局と称するゲームに夢中な議員の耳には届かないようだ。
ひところIT企業のオーナーがメガソーラーと言っていたがその後どうなったのか。太陽光発電を本気だやろうとしているとして、そのくらい時間を要する。なんといってもこの国は人口密度が高く、面積の小さな島国では土地の確保が最初の作業である。家庭の屋根の話は、電力会社から買う電力を減らす効果程度と思わなければならない。ちりも積もればというのは成立し難い。なぜなら電力使用量を見込んで電力会社は発電をするので、家庭が間に合っていますと言っても電力会社は無駄に発電するだけである。それを無駄と言ってはいけない。これがあるから電力不足による停電が生じないのだから。見通しが悪いと無駄に発電しなければならない。これは変動の大きな発電に共通の問題点である。
風力はどこかで始めなければならない。列をなした風車が出来て、どのくらい問題があるか分からなければ話が進まない。観念的な話に陥りがちなのが風力信者の特徴のようである。低周波騒音は注意しておく必要があるだろうし、バードストライクは愛鳥家とこの信者が重なるように見えるから内輪もめは先に済ませて欲しい。風車のところまで送電線を持って来いと言う為に、発送分離を主張するのは筋が通っているから大きな声で言って良い。大規模にやるなら海上であろうから、技術的な問題以外に法律の整備がいろいろ必要だろう。だからこそやらないと始まらない。
福島にある柳津西山地熱発電所は 65MWの最大出力で、日本の地熱発電所で最大である。それを無人で動かしている。(必要な場合は秋田火力発電所から遠隔操作)他にも造れば良いというのはもっともな話である。富士電機、東芝、三菱重工の日本企業三社が世界の地熱発電設備容量の70%のプラントを供給しているというから尚更である。出来ない理由は、発電の適地が温泉街に近くて温泉を枯渇される心配から観光団体に反対される。そもそも国立公園内なので発電所の建設が規制される。が大きな理由である。後の方は法律の整備である。進めるよりない。
以上のようにどれも問題があってすぐに量を期待できるものではない。今開始すれば数年後には幾らか効果が出るかもしれない。また、出ない可能性もある。しかし、今やらないで先送りすればその分だけ送れる。なら、必要な作業は直ちに開始すべし、とならないところに批評家的な政治家がウジャウジャ湧いていることの障害がある。

十年先を考えるなら、石炭火力を建設するのが正しいと考える。エネルギー資源の供給に安定性を求めるなら石炭しかない。排ガスの問題は処理装置で対応できる。二酸化炭素の問題は残るが、全体的な効率として検討する課題である。排ガスデバイスを敷設することを考えれば大型の発電所になる。
発電の小型分散化は災害発生に対するリスクヘッジとしての効果は高いが、発電効率は最も効果を発揮してほぼ低下しないであり、普通には低下する。大規模発電に対し有利なのは送電ロスが小さいことくらいである。分散化が能力を発揮するには、高効率な蓄電池の整備が欠かせないだろう。超伝導の送電線が実用化すれば工夫の余地が大きくなる可能性も出る。(現状は電流密度が低い)
将来を確たるものとして予想するのは困難であるが、十年先の姿を描いて作業を進めるのは重要である。十年を五年にして良いから、総論レベルの批判合戦は止めにして、自らの描く将来像を提示して貰いたい。


地熱発電では、硫酸やマッチ、肥料が副産物で製造できるそうだ。

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