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2012年12月 6日 (木)

脱原発という標語

衆議院選の一つの争点に脱原発がある。一部の人は小さな話と言っているようだが。はたして、脱原発の先にあるものは何なのか、感情ではなく理性的に考えてみる。


■脱原発とは
総選挙で本音はともかく、原発推進を旗印にしている政党はないが、脱とか卒とか将来とか形容詞に幅がある。推進側は、先送りとか現実的なという形容詞がお好みのようだ。訴える内容の平均値は以下の通りと考える。

 ▲ 反対サイド
 ・脱原発      … すぐに原発を廃炉にする。
 ・卒原発      … 数年で片付けて、その先で全廃する。(例:3年+7年)
 ・将来に脱原発  … 成り行きを見て、今は何もしない。
 ・先送り      … 向う10年の推移で判断する。
 ・原発推進    … 安全の確保優先から核武装まで幅広い  
 ▼ 推進サイド


■議論の内容
原発反対サイドの論理は、推進派は原発の既得権益にまみれていて、福島の事故の教訓を無視していることを柱にして、推進サイドを批判する。太陽光、風力、地熱発電(総称:自然エネルギー)によって原発の置き換えは可能と主張する。
原発推進サイド(ここまで鮮明にしているのはほぼなく、反対派の反対サイドである)の論理は、技術的に完成度の低い、つまり、供給量やコストに問題を抱える自然エネルギーがどの程度実用化されるか不確定である(普通は出来ないと言い切る)。化石燃料を中心とした発電ではエネルギーの安定供給に不安があるし、経済的に大きな変化があった場合に対応できないとする。安全管理の適切な実施により、低価格な電力の安定供給を実現するのが、現実的な対応であると主張する。

■論点の整理
2011年以前の原発依存度を20%としてこれを直ちに0%にするのは困難である。現在、原発なしで回っているという指摘は、古い火力発電所を無理に動かしている状況では長く続けるのは不可能である。ならば、LNG火力(LNG基地が無い)、水力(ついこの間まで脱ダムを叫んでいた)、風力(どこに建てるか決まっていないのに)、地熱(国立公園内の開発に関する法整備くらいすぐに手を付けなければ)と1年で片付くものがない。太陽光はというと、家庭用はどんどんやって、電力会社の供給負担を小さくすれば良い。
一方で、原発の安全性の構築は進んでいない。安全確保の仕組みが見えていない段階で、議論することはナンセンスである。安全構築の仕組みを作る→運営する→問題点を修正する→運営するの所謂PDCAサイクルを動かすよりない。最初の仕組みを完全なものに仕上げたいのはやまやまだが、直さないことより出来の悪い最初の仕組みの方がはるかに優れている。
まず、先に書かなければならないことがある。下記の二つは不確定なことにおいて論理的に同等である。
 ・原発はいずれ完全に運営できるようになる。
 ・自然エネルギーは化石燃料以下のコストになる。
いずれも達成されるかもしれないし、されないかもしれない。科学的な議論ないしは実務性を伴う議論をしたいのなら、如何にして達成させるかを具体的に主張しなければならない。相手の論理的なキズをたたくのは定石だが、不毛な感情論になりがちである。自分の主張から始めるのが議論の手番だから、自分のサイドの正当性を主張すれば良い。その達成の為に費用が必要とあらば国が出すのだ相当だろう。それには多くの人がもっともだと思う程度の確からしさ、蓋然性と呼ぶのが良いか、必要で、日程を明示した計画の提出が求められるのは当然である。
自然エネルギーが良いと総論だけ主張して金を国にねだるのは、彼らの忌み嫌う原子力村のやり方とそっくりである。
新規の発電所は十年計画で動くようだから、この国の発電の10%を新規で動かすならそれまで何でしのぐか考えねばならない。結局十年原発動かしたら、その後も動かすことになりそうだと心配する筋の話は長くなったので次回に送る。
資源の安定性を考えたら石炭だと思うが、この意見は支持されそうにない。天然ガスの発電は良いが、LNGでは輸送とその前後に金がかかる。パイプラインが好ましいが、ロシアと交渉できるのだろうか。サハリンパイプラインを柱に十年計画を立てれば、原発維持組と戦えると思う。ガスは先の震災で漏れなかったことを念の為に記す。


ドイツは、原発に3/4依存するフランスから電力を買い、ロシアから天然ガスを買っている。石炭の埋蔵量も多く、国内エネルギー生産量の1/3を占める。この国と日本を直接比較して良いか疑問を持たないのだろうか。

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