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2012年12月28日 (金)

原発保有電力会社の広告料

原発を持つ大手電力九社が1970年度からの42年間で、計2兆4000億円を超える普及開発関係費(広告宣伝費)を支出していたことが朝日新聞の調べで分かった。米国・スリーマイル島で原発事故が起きた1970年代後半から急増。メディアに巨費を投じ、原発の推進や安全性をPRしてきた実態が浮き彫りになった。

普及開発関係費は新聞広告やテレビCM、PR施設運営などにあてられる費用。マスコミへの接待や自民党の機関紙への広告費に使われたこともあった。各社の有価証券報告書に記載されており、大手では初めてとなる関西電力美浜原発が稼働した1970年度から2011年度(2012年3月期)までの42年間を調べた。
九社総額は2兆4179億円で、会社別の最多は東京電力の6445億円、次いで関電の4830億円。東北、中部、九州の三社も2000億円台半ばだった。年別では、1979年のスリーマイル島事故までは九社で計200億円弱だったが、旧ソ連・チェルノブイリ原発事故が起きた1986年には400億円を突破した。
地域の独占企業である電力会社には競争相手が事実上いないのに、最近の普及開発関係費は年別で計約1000億円に上っていた。この額は自動車・家電のトップメーカーと同規模だ。
(朝日新聞、編集委員・小森敦司、原田朱美より引用:ただし数字表記と算数字表記を改めた)

引用は本意でないが、編集しては内容が変わることが懸念されるのでそのまま記載した。ただし、電力3社という様な表記は好まないので三社に改め、4千億円は4000億円と表記し、70年を1970年に改めている。新聞は縦書きであるのでその中で最適な表現としているのだろう。横書きならこちらが優ると信じている。なお、最初に示した例の十を超えなければ漢字表記で良いと考える。以前どこかで書いたが、第3極なる表現は、電子回路で第1極、第2極とあるのなら妥当だが、科学用語でないなら漢数字で示さないと落ち着きが悪い。少数意見かもしれないが、美は最上の価値判断の基準なので、美しくないものは受け付けないとしている。その内新聞のスポーツ欄に大きな活字で4649!などと踊ることになれば、この古い価値観は絶滅危惧種として保護して貰えるかもしれないと期待している。
すっかり余談となった。話を戻す。

調査をして報道するのは正しい行為である。原発の広告がどのように世に出て行ったかを知るのは、原発の費用の使われ方を検証するのに重要な仕事である。それを理解した上で読んでみて、何が言いたいのかが分からない。海外の原発事故が発生した後に、国内の原発が安全かどうかを知りたいと思うのは、原発が近くに立地している人には当然発生する思いだろう。これを適切に実施したとすれば、不思議な内容などひとかけらもない。東電広報部に取材すれば、
「低炭素社会の実現などに向けた広報の一環として原発への理解を深める活動を実施してきた。広告宣伝費はほかの企業と比べて突出しておらず、報道に圧力をかけたこともない」
と説明することになる。これには悪意はない。事実としてそうだろう。原発に反対する人もいるが、安全性を確保して、安定に安い電気を供給するよう努めています以外の回答を広報がしたら、その広報は処分対象である。つまり悪意があるのは取材した側である。
加えて、大学の先生のコメントを記事では載せている。砂川浩慶・立教大准教授の話として、
「……急増した時期からは、多額の広告費を投じることでメディアへの影響力を増し、原発に否定的な報道に目を光らせようとした意図が透けて見える……」
と紹介する。多額の広告費を投入した結果、民放で支配的な立場になったのは事実であろう。しかし、この多額の広告費を可能にしたのは、広告費が原価に組み入れられる総括原価方式であるからである。地域独占の会社の広告費に原価に組み込める金額に制限が無いことが本当の問題である。原発広告がテレビで沢山流れたのはその結果でしかないし、広告を出そうとした動機は清い心であったかもしれない。広告に関係する人をすべて怪しいとみなすなら、送電線を支える高い鉄塔のメンテナンスをする人も、電力メータの検針をする人も、天然ガスの買い付けをする人も怪しい人達である。電車会社で線路を点検している人や、電話会社で通話料を確認して請求する人や、商社で石油を買う人は必ず正しいとは言えないにしても、おそらく大半の人は正しい人だし、その業務のほとんどすべては社会的に非難されるいわれのないものだろう。それなら電力会社でも同じである。
砂川は、メディアの否定的な報道に目を光らせていると言うが、金を出さなくても目を光らせるものである。世間が自社をどう思ているかを掌握するのは重要な仕事である。電力会社は発電し、送電し、配電して料金を徴収することで仕事が閉じている。原発以外の発電方式でも、ダムを造れば環境破壊といわれ、石炭火力は排ガスが汚いとか、二酸化炭素の排出量が多いとか、石油火力なら安全性の問題が騒がれるし、天然ガスなら受け入れ基地建設で安全性の騒ぎが起きる。送電線は景観を損ねるというし、電磁波の健康被害の懸念を騒ぐ筋もいる。配電の為に建てた電柱は邪魔だと騒ぐ。電柱があることで途上国のようだと指摘する。だから電気が要らないというかと思えば、安定供給がないと生命に係わると指摘し、電力の質が産業の基礎であると当たり前に主張する。叩かれる要素は山ほどあれど、それがこの国を支える重要な仕事だから、周囲の理解を得るのが大切と注意するのは正しい態度である。
繰り返すが問題点は、
 ・地域独占
 ・総括原価方式に広告費がどこまで認められるか
でしかない。この二つのそれらの組み合わせでしかない。もっともな話のように記事では書いているが、広告料が増えたのは原発の発電量が増えた結果に過ぎない。最初の切っ掛けは上で書いた。
簡単に言えば、原発反対を書きたい気持ちがあって調査をした記事に過ぎない。せめて、原発の発電能力と広告費の関係については述べないといけない。
原発推進の政権(自民党には変な言い訳はしないで推進だと言ってもらいたいものだ)に替ったから反対記事を掲載したいのだろう。これは記名記事だが、この編集委員は過去にどんな記事を書いたのか気になってしまう。もしかしたら、編集委員の存在がフィクションであったりして、などとオカルトチックな話を想像させる記事であった。

原発反対の提灯記事の依頼があれば書くが、残念なことにない。原発推進の依頼も当然ない。

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