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2012年12月 9日 (日)

文科省の大学改革実行プラン

文部科学省の大学改革実行プラン(平成24年6月5日)を読んでみた。

読んだと言っても、表題のところだけである。全体像で謳っている部分を引用する。

Ⅰ 激しく変化する社会における大学の機能の再構築
     1. 大学教育の質的転換、大学入試改革
     2. グローバル化に対応した人材育成
     3. 地域再生の核となる大学づくり(COC (Center of Community)構想の推進)
     4. 研究力強化(世界的な研究成果とイノベーションの創出) を内容としています。
Ⅱ 大学のガバナンスの充実・強化
    5. 国立大学改革
    6. 大学改革を促すシステム・基盤整備
    7. 財政基盤の確立とメリハリある資金配分の実施
    8. 大学の質保証の徹底推進

二つの柱がⅠ、Ⅱの後に示した内容であり、八つの基本的な方向性が上記の1から8である。7と8にはそれどれ続いて、【私学助成の改善・充実~私立大学の質の促進・向上を目指して~】と、【私立大学の質保証の徹底推進と確立(教学・経営の両面から)】がある。
役所の作成する資料の特徴として、本音は最後の方に隠される傾向がある。それに従うと、7と8に本音があると想定する。文科省の大学への私立大学への補助金総額は、一般補助金が平成になってから2,100億円強で推移し、特別補助金がここ十年1,000億円強で推移している。合計は3,200億円程度である。一般補助は全般的なもので、近年の運営として、大学等の経営の効率化を促すため,定員割れ大学等への減額の強化を段階的に行っている。特別補助は、各大学等における特色ある教育研究などを対象にし,その取組を支援している。教育の質向上,地域活性化への貢献,国際化の推進,学生の修学・就職支援や自主的な経営改善に対する取組といったものがあげられている。
文科省としては私学助成に3,000億円の予算しかないから、文科省の考える価値のある大学には厚く支援するが、価値のない大学には支援しないことで、メリハリを付けるということである。それなら大学の認可を取り消して少数の大学だけにすれば良いと思うが、本音はこれに近いが自分自身が認可してきた手前そうもいかないという事情があって、このような方法を採用していると推定される。これに従えば、国立大学改革も、文科省の言うことを聞く大学にしか支援しないと読めてしまう。こちらは難しくて、文科省が優れていると思う大学ほど文科省の言うことを聴かない、なんことはない、歴史のある大学はそこに別の秩序があるから、それが役所より優先するということなのだろう。文科省からすれば問題が少なく、支配するのに手間がかかる大学を相手にするより、組みし易いほうから片付けるつもりだろう。

文科省の資料により、大学、短大、高校の進学率を調べてみた。

 年   大・短   大    短    高
1965   17.0   12.8    4.1   70.7
1980   37.4   26.1   11.3   94.2
1995   45.2   32.1   13.3   95.8
2010   56.8   50.9    5.9    -

2010年の高校進学率は手持ちの資料になかったので省略した。短大の進学率が減っているのは、男女雇用均等法の施行や、派遣業務の範囲拡大で短大卒が就職に不利になる状況が発生し、学校法人が短大を四年制大学に変更する動きがあったことが影響していると推定される。一方大学はというと、大学の数・定員が増えて、高校卒業者の数が減るのだから、大学進学率が上昇するのは必然である。
文科省の考える大学の質保証の考え方からすれば、大学は少ないに越したことは無くて、1965年の1/8のれべるか、1980年の1/4レベルが妥当なところだろう。そうすると、現在の大学の半分はなくす(1980年基準)ことになる。一方で補助金は残った選ばれし大学には二倍近くまで増える。教育に金がかかることを考えれば、合理性のある ”選択と集中” であろう。そこまで極端な動きがとれないだろうことは容易に想像されるので、緩めてしまえば何も変わらないのが世の常である。そんなことはやるだけ無駄になる。

もっと合理的で実行力のある方法がある。それは、高校卒業に加えて、大学受験資格を加えればよい。そもそも高校進学率が95%になっていることが高すぎるのである。5%を少数の例外と考えれば、誰でも大学進学可能であることになる。大学は生徒数を増やしているのだから、本来は入学させてはいけない人まで合格にしてしまう。そもそも高校卒業者全員に大学に進むレベルの知識を有しているか怪しい。進学可能レベルであるか否かを判定する試験をすれば良い。それは、義務教育中に学ぶ教科の七割以上理解していることをクリアーすると言うもので良い。もちろん、すべの教科についてである。広い範囲の基礎知識を有したものだけが専門教育を受けられるとすれば良い。こうすれば一部の高校は中学の復習に力を入れるだろう。大学に入ってから中学の勉強をするより効果的である。専門性の高い大学で、特別にこの資格を免除するのは可能とする例外規定はあってよい。例外は例外以上の数であってはならないことが求められるのは当然である。
そもそも教育は、人のばらつきを小さくすることが目的である。進学率が高いのは良いことだが、ばらつきが大きいまま進学させるのは、制度も個人も社会の為にもならない。文科省は義務教育の充実に力を入れるんことこそ重要と考えるが、国際競争力の方がお好みのようだ。


文科省の大臣は選挙が大変な様子。

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