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2012年12月23日 (日)

幹細胞治療

韓国では禁じられている幹細胞投与を希望する患者らを福岡市博多区の「新宿クリニック博多院」が受け入れている問題で、患者を紹介したとされるソウルのバイオベンチャー「RNLバイオ」は21日、これまでに約3700人の顧客が日本で投与を受けたことを明らかにした。中国でも約1万1500人が投与を受けており、研究段階の幹細胞治療に関して規制の甘い国をターゲットにした「幹細胞ビジネス」の一端が明らかになった。 (毎日新聞 2012年12月22日)

幹細胞研究者らで組織する国際的組織である「国際幹細胞学会(ISSCR)」も、「幹細胞を用いた治療が、安全性と効果が確認されていない状態にもかかわらず、世界中で実施されつつあることに対して、大きな懸念を抱いている」と表明している。

日本が規制されていない地域で、規制のある国の治療を望む患者が日本に治療に来る。しかし、安全性が確認されていないので問題もありそうだということらしい。仲介業者もいるようで、金があって困っているところには商売の種があるということのようだ。現在、治療が困難な病気から、美容の話まで幅広く対象になっているということだ。個々の段階で、ほぼ理解できない範囲に入った。

治療を行うのに際し、どんな状況があるかから考えていく。現時点で治療法がないか、確立されていない疾病であり、治療しなければごく近い将来に生命の危機を迎えるだろう患者がいるとする。認可されていない治療方法を施すと延命する可能性がある。しかし、確立されていないので、命を落とすすことや、重大な身体への影響を及ぼすことも起こり得る。このような場合なら、実験的に行っても良いような気がする。当然、無制限に行っていい訳ではなく、患者の個別の状態と効果の期待値を比較して総合的に判断されなければならないし、記録は正しく残されなければならない。この作業の流れを規則として明確にしたものが、臨床研究に関するレギュレーションになるらしい。

それではと、厚生労働省の『ヒト幹細胞を用いる臨床研究について』を読んでみた。研究者等は、生命倫理を尊重しなければならず、ヒト幹細胞臨床研究は、公衆衛生上の安全に十分配慮して実施されなければならない。といったことが書いている。(もちろん、もっといろいろ書いてある。下記参照)

http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryou/iryousaisei.html

治療というのは、疾病のない状態にすることが目標の作業のようである。老化というのも治療対象になるようで、アンチエイジングなぞという言葉が流行るのである。疾病の無い状態にするというのは、目標とする標準的なモデルに近付けることを良しとすることを意味する。標準から外れたものを、標準に近付けることが正しい治療である。このことは、はたして正しいのだろうか。人間の寿命は有限である。これを無限にするのが正しい行為だとすると、無限の対象にならない特性を有する集団は治療を施す価値がなくなる。このモデルはしっくりこない。むしろ、寿命は有限で、人間にはばらつきがあり、標準化することより、それぞれ個別の事情や価値観に従って適切な治療を行うことを好む。
命を救う治療ならOKで、美容治療はNGとする考えは、理解できるが支持しない。保険や国の医療予算が後者に厚く充てられるなら少々文句も言うだろう。節度のある対応なら勝手にすればよい。思想良心の自由の範囲であると思う。
悩ましい問題であると思った。特に展望のないことを記録する為だけに書いたという結果になった。


長生きすることを良しとする国家であって欲しいが、長生きすれば良いという国は嫌だ。

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