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2012年11月 2日 (金)

シンドラーエレベーター

シンドラーエレベーターに関係する事故が発生した。金沢市のアパホテル金沢駅前でエレベーターに清掃作業員が挟まれ死亡した。

事故機には、扉が開いたまま動き出した場合に自動停止する安全装置はなかった。2009年9月の改正建築基準法施行令で新設機への設置が義務づけられたが、事故機は改正前の「既存不適格」扱いで、装置がなくても違法ではない。この改正は2006年の東京港区でシンドラー社製エレベーターによる高校生の死亡事故発生がきっかけになっている。

日本のエレベーター業界は、三菱、日立、東芝で80%程度ある。他にフジテック、オーチスがあり、世界的に見れば大きいシンドラー(エレベーターで2位)は少数になっている。今回の事故で、シンドラー社の中部支社名古屋支店と、保守点検を担当する日本エレベーター工業を警察が家宅捜索している。日本エレベーター工業は、スイスの親会社が出資しているので同じ系列の会社であり、メンテナンスを外部委託しているのではない。
2006年の事故で悪評が立ってしまったので、日本から撤退するか、社名またはブランド名を変えることをしたと思っていた。あにはからんや、シンドラーのままであった。しかも、安全重視に修正することもなく、欧州のオプションなしではとっても安いということをアピールする従来通りの営業スタイルを守っているようである。
そもそも、2006年の事故は適切なメンテナンスを実施しない状況を作ってしまったということが事故の要因としてある。ビルメンテナンス費用の圧縮を目指して、競争入札により最安値の会社に発注するという、最も自由競争原理を効かせた方法を採用した。適正な作業であるか否かを判断する知識や経験のない者が判断すると、誤った選択をするという極めて自然な要因が背景にある。競争入札が自由競争の促進になるには、応札する側に適切な入札金額を設定する知識と、入札会社の能力を量る能力が必要である。決して素人が手を出してはいけない領域なのである。
今回の事故で、アパホテルという名前が出ている。アパホテルは安いことを全面に出して宣伝していた会社で、安いということは費用削減も行っているのではないかと想像してしまう。本当のところどうなのか分からないが、イメージダウンは免れない。費用抑制も正しく行わないと営業成績に影響が出る。

エレベーターは高い設備であるので、建設時に悩むことだと思う。運用していくとメンテナンス費用が高いことも問題になるようだ。法律改正しても既存不適格で使えれば困らないが、これが許されなくなると困ったことになるだろう。どう考えるのだろうか。法律適合エレベーター表記を貼ることを義務つけると効果があるかもしれない。役人にはシール会社への注文が増えて天下り先が増えてうれしいかもしれない。



競争入札で安くなって、その後困ることが生じる。談合で高くなったが、その後も困らない。何れが得か。

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