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2012年11月 3日 (土)

週刊朝日の橋下報道

週刊朝日の2012年10月26日号を再度確認した。問題になり、その後連載が中止となった、佐野眞一の連載記事「ハシシタ 奴の本性」を確認する為である。

文中に、橋下市長が大阪府八尾市の出身で、そこの同和地区であることが書いてある。橋下市長自身、大阪府八尾市に住んでいたことを選挙で話している。また、幼少期に別れた父親が暴力団員であることも、一年間の週刊文春、新潮で掲載されたことである。内容に問題はあるが公知のことである。文春や新潮ではたいして問題にはせず(口汚くののしってはいた)、朝日の場合には激しく反論するのは、戦う相手として朝日が相応しいとの判断によるのだろうか。単純に、世間の注目を集めるには誰を敵にするのが最も効果的かと考えた結果と考えられる。週刊新潮はよく裁判に出る雑誌、相手は宗教団体である場合が多いようだが、であるのでスキャンダル記事に反論してもまたかと思われる。大手新聞社を親会社に持つ週刊誌、しかもそれが人権重視の新聞社であれば相手に不足はない。
さて、記事の内容である。記事は、市長のパーティーに参加した老人の話を中心に進む。この老人の言うことが怪しいのであるが、それは筆者も認めていて、その怪しい話の都合の良い部分(書き手が使いたいという論理で)だけ拾っているように読める。いい加減な情報源だと認めているのだから、その情報が正しいとする根拠はほかに求めなければならないのは道理である。間違いが多い人でもすべて間違いとは限らないのだが、拾ったひとつは正しくない蓋然性が高いと疑わなければならない。これが報道する者に求められる。この部分が持つ弱さを引きずると、これはフィクションになってしまう。古い過去の話なら歴史小説の類である。決してルポルタージュではない。

この掲載記事で新たな発見があったとすれば、二万円するパーティー券を販売仲介する地方議員が20枚までは5000円、それ以降10000円のキックバックがあるということであった。百枚を売る議員がいて、小遣い稼ぎしていたとある。これの正さも疑わねばならないが、数字が出ているだけ疑いは薄い。国会議員になるという名誉に渦巻く欲を、確実に金銭に置き換えるのは商売人として優れていると思う。
現在の状況で、日本維新の会から国会議員になるのは期待するほど楽ではないようだが、派手に活動をすれば1000万円を用意するのはたいしたことでないと神経がマヒする効果がある。金を出す人が多ければ活動が活発になり、国政で一定の枠を取ることが達成される。捨石になる人が必要なのは理解するが、捨石であることを騙すのは許されない。大きなことをするのに小さなウソは許されると、小さなウソから大きな組織は壊れるとを比較すると、後者に理がある気がする。比較が悪いというのは重々承知である。

市長は同和問題に抗議しているが、差別されて育ったのではないようだ。これは結構なことだと思うが、大阪府知事時代の同和問題に関係すると思われる予算の扱いについては、緊縮財政を掲げる知事の動きとしては配慮している雰囲気があった。もっといえば圧力団体との手打ちがあったような想像さえさせてしまう。メディアが取り上げないことは軽く流すという姿勢が垣間見える。(同和問題はテレビで扱い難いので、避ける傾向がある)
この人には所謂政治信条はなく、世の中の注目を集めていることが重要なことだというのが心情なのかもしれない。発言を非難されても注目されればよい。忌み嫌うのは無視されることである。最近、支持率が下がったが、支持率低下が話題になるうちは良いが、支持率低下・注目度低下・相手にされないという流れは受け入れ難いものだろう。よって、橋下嫌いの取るべき態度は、無視することとなる。お嫌いな方たちは同じ穴のムジナであったりするのであるが。

週刊朝日の連載は出来が悪く読むに値しないものと言ってよかろう。同和問題について八尾市の特定の地域が同和地区である表現は、今日の書籍では慎重な取り扱いが求められるものである。必要性がなく、同和差別(部落差別と呼ぶのが適切な使い方か)を助長し、いたずらに刺激を求めて好奇の目にさらすことが目的になっている。調査も不十分で、フィクションの世界に入っている。真剣に日本維新の会のありかた、橋下のやり方を調査点検するなら踏み込みが浅い。としても、その程度の内容であるのは明らかであるから、何が言いたいのか聞いてみようとする態度で連載を継続させた方が、橋下サイドには良かったのではないか。形式的にお詫びして連載打ち切りは、別の大きな力が働いたことを予感させる。よれでは同和問題に対して、臭いものは蓋の態度を橋下は取ったと言われる。それが本意ならいいが、本意でないなら手段を誤っている。そんなことに興味がないなら、そもそも出自に関する戦い方が政治家として誤っている。この政治家に興味を持たない。理由は、策に溺れるタイプに関心がない。


同和地区出身を匂わせておいて、それを書くと非難するのは政治家として無しだ。

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