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2012年11月13日 (火)

文字が消せるコピー機

東芝テックは11月12日、加熱すると用紙の文字や画像を消せるシステムを搭載したコピー機を発表した。文字を消す前に文書を電子化して保存・活用もできる「専用消色装置」も含めた複合機システムLoops(ループス)として、来年2月から国内で発売する。米国と欧州でも販売する方針で、環境意識の高い企業に売り込んでいく。

用紙の文字が消えるコピー機の実用化は世界初だそうである。文房具メーカーのパイロットと共同開発した専用の特殊なトナーを使用することで、熱を加えると画像や文字が消える仕組みとなっている。紙1枚を約5回使い回すことができ、用紙の購入・廃棄費用を大幅に削減できるという。
予想通りパイロットの文字が消えるペン「フリクション」が関係していた。フリクションのインクは、温度が60度で消える特性がある。本当は聞けるのではなく、見えなくなるというのが正しい。インクは表面に残っていて、温度がマイナス10度になると復活して読めるようになる。+60度も-10度も人間生活ではあまり関わることがない温度域であるので実用化できた。
コピー機のトナーを紙に付着させる温度が150度以上であるから、付着温度の低温化が必要になる。解決すべき課題は多くあったろうが何とかしたということのようだ。紙一枚で五回使えるということである。紙の使用量が減ってエコロジーであることで販売に活かしたいということであろう。

コピーもファクシミリも最近使用頻度が減ったと感じる。電子メールも必要に応じて印刷していたが、最近は印刷もしなくなった。ネットワークの先にあるサーバやPCのHDDやフラッシュメモリが壊れないことが前提に日常業務を行っていることが分かる。それほど信じてはいけない気もするのだが。
紙の使用量が減っているなかで、コピー(印刷)代金が安いことを売りにしても顧客の関心は得難い気がする。トナーが特殊なものになるから高くなり、用紙代が減る分全体としてコスト削減ということであるが、紙の使用量が減っていてはアピールが弱い。紙がリサイクル可能と言っても、紙詰まり対策が従来品より行われているという訳ではあるまい。手差しトレーで紙詰りして対応する時間は、紙代より高いと考えるのが普通である。紙送りは用紙の厚さや表面状態に影響されるし、湿度の影響もあるというから繰り返し使用するなら、用紙の標準化は必須の気がする。オフィスでは同じ用紙になっているが、メーカ推奨の用紙を指定した方が対策し易そうである。そんなことを指定すると機械の売上に影響するのであろうが。

東芝のコピー機市場シェアは、国内では少々、海外でも一桁パーセントのレベルである。国内市場シェアのイメージは、リコー(30)、ゼロックス(20)、キヤノン(20)、コニカミノルタ(10)、シャープ(9)、京セラミタ(5)といったレベルである。リコーが消えるコピー機を試験販売するのはメンテナンスのことを考えると慎重にならざるを得ない。何もしなければ撤退することになりかねない、枠外の会社であるからできたことだと思えてしまう。
紙を分別・消去する機械があるようなので、それなりの枚数を使用する企業を想定しているようである。その想定された企業の、最適なオフィスサイズ、使用頻度のイメージをどのように描いているのかに興味がある。案外、そんな会社は無いということになりはしないだろうか。この機械が売れるようなら、素人の考えは浅く狭いということだが、売れないなら専門家は自分の都合の良い領域だけ見ていたと言われる。前者は誰の役にも立たないが、誰の迷惑にもならない。それに対して、後者は会社の資源を使うから無傷ではいられない。相応のリターンがあるから、リスクを負う理由はあるのだろうが。


ガリガリくんの上に置くと白い紙から過去の印刷が浮かんでくるそうな。(フリクションの例)

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