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2012年10月18日 (木)

参議院のあり方

2010年の参院選について、最高裁大法廷は「違憲状態にあった」との判決を言い渡した。15人の裁判官のうち12人の意見で、残る3人は、より厳しい「違憲」判断を示した。

参議院も違憲状態と司法判断された。五倍の格差は大きいと思うし、参議院の各県に一人を振り当てる現在方式では人口分布の偏りが大きく無理が生じる。現在の参議院の議員定数は242議席であり、これを三年ごとに半分選挙するから都合121議席を全国に割り振ることになる。この121人が、選挙区(都道府県単位47区)に73人、比例代表選出(全国単位)に48人の定数で選ばれる。

2010年の第22回参議院議員通常選挙について総務省発表の有権者数により計算してみた。有権者数が最小の鳥取県(485,912)を1として、各都道府県の有権者数を鳥取県の人口で割って小数点以下は切り捨てた。この結果に従えば、一票の格差は二倍を超えることは無い。計算された議員定数を全国で足すと、191人となった。これが選挙区になるから、格差を二倍以内に収めるには選挙区の議員定数を2.6倍にする必要があることになる。
都道府県ごとの有権者数を比較すると、大都市への集中が大きいことが分かる。有権者数が250万人未満の件は37あり、これらの有権者数の合計は全体の44%に過ぎない。250万人以上の10件に56%が集中しており、上位3都府県(東京、神奈川、大阪)で24%、上位53都府県(+埼玉、愛知)で35%を占める。この分布を見ると、県単位の管理を活かしつつ格差をなくすことは、鳥取や島根を統合しても高知で問題になり、佐賀や福井や山梨と有権者数の近い県が続くから容易でない。単純な解決策は、議員定数の大幅な拡大であるが、議員の削減を目指す流れに逆行してしまう。

各県に議員を出す理由を、地方の事情を知る者を国政に送り出したいとする考えによっているとしよう。地方分権を推進するのであれば国を七つ程度の道州に分割し、これを選挙区とするのは合理的な方法となる。ただし、これを行うには地方行政の大幅な変更が生じるので、利害関係者が多く調整に長い時間を要することが予想できる。
それなら、単純に五つのブロックに全国を分け、それらを選挙区にするだけの方法が単純である。これらに有権者数の変化に従って十年ごとに修正を行うこととすればよい。都市部に有利で、地方の意見が国政に反映され難いという意見があるだろう。以下のように分割するのはどうだろうか。

(1) ブロックで選出される議員(現在の選挙の選挙区拡大)
(2) 地方行政の経験者枠
(3) 国政の経験者枠

(1)から、全体の2/3程度を選出することにする。これが一般枠である。(2)は地方の声を国政に届ける為の枠で、知事・市町村長を二期以上行った人から選出する。(3)は衆議院または(1)を十年以上行った者から選出する。(2)と(3)は同数とし、二期まで可だが、それ以上の選出は不可とする。
貴族院的な立場になるが、衆議院だけの一院制での暴走を抑止できるような準備は考えておいた方が良い。その程度の保険にはなり得る。衆議院と異なる体制になるから、衆議院定数の変更には参議院が活用でき、参議院の定数修正はブロックごとの単純変更ルールなので、衆議院が決めると建前ではしておいても、機械的に決定されることとなる。
予算上の話をするなら、(2),(3)は基本的に無給でも良いと思う。それではあんまりだというなら、東京都の最低賃金の30日×8時間を基本歳費として、議員と議員秘書一人に支出して良い。議員活動に対しては、本人と秘書一名について事前申請と報告書の提出があれば実費精算することとする。金が無いから働かないということに正義を与えない工夫は必要であろう。

平等と効率化を両立するのは難しいということである。


司法の人は政治家が無能で欲張りと思っているのだろうか。

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