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2012年10月27日 (土)

化学プラント事故

■事故の概要(中央日報日本語版の要約)
9月27日、韓国慶尚北道亀尾市の化学薬品メーカー(株)ヒューブグローバル(以下ヒュ社)の工場で発生したフッ化水素酸(フッ酸)ガス漏れ事故が発生した。
この事故は、職員の過失で発生したことが確認された。 亀尾警察署は9日の中間捜査結果発表で、職員三人がタンクローリーから工場の貯蔵タンクにフッ酸を移す作業をする際、ホースをつけずにバルブを開き、大量のフッ酸が漏出したと明らかにした。警察はヒュ社内に設置されたカメラの映像を分析し、こうした事実を確認した。 警察関係者は「原料ホースとエアホースがともに接続されていない状態で、バルブ2つがともに開かれていた」と説明した。
警察は事故当時に作業をした職員三人が作業指針と安全規則を守らなかったことを確認した。 作業指針によると、エアバルブと原料バルブは順に開かなければならないが、画面上の職員は両バルブを同時に開いて作業をしていた。 また職員は保護服と防毒面を着用していなかった。 画面の職員は会社の作業服と黄色いゴム手袋、防塵マスクだけを着用している。 現場にいた職員三人は事故の直後に死亡した。

日本では報道されていないが、化学工場の事故としては深刻で重大なものである。フッ化水素(フッ酸)は毒物である。ガラスを溶かすのでガラスの加工、洗浄に用いられるほか、半導体(シリコン)の表面を処理する薬剤として使われる。一般人には関係のない薬剤だが、一部の業種では普通に目にするものである。ヒトの経口最小致死量 = 1.5 g、または 20mg/kg(体重あたり)である。飲むこと、吸うことは上記の向上の様な環境でないと発生しないが、 皮膚に接触すると、体内に容易に浸透する。フッ化水素は体内の
カルシウムイオンと反応を起こすので、骨を侵す。濃度の薄いフッ化水素酸が付着すると、数時間後にうずくような痛みに襲われる。フッ酸を使う職場で最初に説明を受けるのは、皮膚に触れると、たとえそれが低濃度であっても、時間をおいて激しい痛みを生じるので取扱いに注意するとともに、万が一事故が発生した場合は速やかに病院に行くなどの対処をすることである。

■事故の影響-1(10月05日付)
韓国南東部の亀尾市で発生したガス爆発事故の2次被害が急速に拡大している。事故は、フッ酸をタンクローリー(20トン)から工場内へ供給中に爆発し、五人が死亡した。同市によると、フッ酸の流出で治療を受けた人は10月5日まで1954人となった。農作物の被害は135ヘクタールにのぼる。同市は政府に対し、特別災害地域に指定するよう求めている。

■事故の影響-2(10月06日付)
慶尚北道亀尾でヒュ社のフッ酸漏出事故が発生してから9日目の5日、被害者は1500人に達した。事故対策本部によると、この日まで確認されたフッ酸吸入患者は前日の893人より701人増えた1594人。農作物被害は当初の91.2ヘクタールから135ヘクタール、家畜は1313頭から2738頭に増えた。腐食車両も25台から516台に増えた。付近の企業40社が53億ウォン(約3億5000万円)の被害を申告した。
被害者のうち5人は入院している。ほとんどがヒュ社から近い鳳山里の住民だ。しかし事故地点から1.5キロ離れた地域の一部の住民も頭痛と吐き気、筋肉痛の症状を訴えている。応急治療は、亀尾地域の三箇所の病院でカルシウム製剤を吸入させ、肺の異常有無を確認するためにX線撮影をする程度だ。
政府はこの日、中央災難合同調査団を亀尾に派遣し、現場調査を始めた。調査団は環境部など9部処の関係者ら26人で構成されている。調査団はこの日午後、鳳山里で被害状況を点検した。ハン・サンウォン調査団長(国務総理室安全環境政策官)は住民に「大気・水質・土壌汚染と農作物被害、住民の健康状況などを綿密に把握した後、特別災難地域宣言をするかどうか決める」と伝えた。住民は「ずっと村にいても問題がないかどうか早く判断してほしい」と要求した。
一方、政府果川(クァチョン)庁舎でこの日、環境部を相手に行われた国政監査で、与野党の議員はフッ酸ガス漏出事故直後の政府の対応を追及した。化学物質事故対応マニュアルがあったが、これをきちんと守っていなかったということだ。無所属のシム・サンジョン議員は「事故の翌日の午前3時30分、毒性物質除去作業がまだ終わらない状態で危機警報レベルを『深刻』から一段階低め、午前11時に住民を復帰させたのは考えられないことだ」と指摘した。

■事故の影響-3(10月09日付社説)
韓国政府は8日、慶尚北道亀尾のフッ酸漏出事故現場を「特別災難地域」に決定した。 9月27日の事故発生からこの日まで見せた政府の未熟な対応はまさに“総体的難局”レベルだ。 政府は事故発生から一週間が過ぎた4日、政府全体レベルの次官会議を開き、政府合同調査団の派遣を決めた。 その間、現地住民は有毒ガスに苦しみ、農作物と家畜の被害は拡大した。
産業安全事故が近隣住民に対する被害につながった今回の事態は、韓国社会の安全不感症がどれほど深刻なものかを改めて確認させた。 未熟な初動対応と問題が多い対処は、当局の安全管理レベルが無防備と変わらないことを赤裸々に見せている。 フッ酸ガスが漏れたヒュ社は事故の責任を、タンク爆発を防げなかった韓国産業安全公団には管理・監督責任を問わなければならない。 また、遅い対応で住民の苦痛を深めた政府は国民に謝罪し、徹底した再発防止対策を用意する必要がある。
最初にすべきことは全国的に有毒物関連施設を点検することだ。 最も大きな問題は、有毒物を扱う企業が住宅街の近くにあるという点だ。 亀尾国家産業団地は172社の石油化学会社が、仁川西区は140社の有毒物取扱会社が住宅街近隣または道路周辺にある。住民は火薬庫を抱えて暮らしてきたということだ。 管轄行政機関は関連業者の現況を把握した後、一斉に点検しなければならない。
産業安全当局は有毒物取扱会社の産業安全管理体系を補完する必要がある。 周辺に広がりやすい有毒物を扱う会社の産業安全は、職員の健康はもちろん、地域社会の安全とも直結するからだ。
根本的な対策は災難安全管理体系の整備だ。 現在、韓国の石油化学団地の災難安全管理は災難安全管理基本法・産業安全保健法・消防基本法など80以上の法に基づき、環境部・地方自治体・消防署に3元化されている。 こうした複雑な行政体系は、安全管理はもちろん、災難が発生した場合に迅速かつ責任ある対処を難しくする障害物になっている。 国民の生命と安全が直結する問題であるだけに、産業安全・災難安全管理統合管理システムを急いで構築する必要がある。

■事故の影響-4
事故により汚染された農作物について、韓国政府は全て廃棄すべきとの見通しを示していることが分かった。10月21日、食品医薬品安全庁は、フッ酸ガス漏れ事故の発生地域周辺の312ヘクタールの区域で採取した205点の試料のうち、202点から最大472.1ppmのフッ酸を検出したという。
同庁の関係者は「農作物から検出されたフッ酸は、事故によって直接蓄積しているため、少しでも検出された場合は廃棄すべきだ。フッ酸が農作物の内部に浸透し、細胞の中から検出される恐れもある。イネの場合、脱穀する過程で2次汚染を引き起こす可能性もあるため、食用とすることは困難だろう」と話した。だが、畜産物の場合は、フッ酸が家畜の体外に排出され得る点を考慮し、治療を行った後、専門家による検討を経て、廃棄の有無を判断すべきだ、と説明した。なお、政府は被害を受けた農作物について、時価に見合った補償を行うとの意向を示している。
フッ酸ガス漏れ事故の発生地点から500メートル以内の地域で採取した農作物のうち、イネからは最大472.1ppm、ゴマからは89.7ppm、ハウス栽培のメロンからは445.9ppm、ブドウからは198.1ppmのフッ酸が検出された。また、韓牛(韓国伝統の肉牛)やブタなどの家畜142頭の血液を採取し検査を行ったところ、最大0.49ppmのフッ素イオンが検出された。これまでに亀尾市が受理した被害発生農地は212ヘクタールに及ぶが、今回の調査では、その範囲がさらに広がるものと考えられる。

記事の転載はしないつもりでいるが、事故のあらましを記録する為に行った。アドレスを下に示す。日本でも、9月29日に日本触媒・姫路製造所で爆発があり、消火活動中だった消防隊員1人が死亡し、工場従業員1人が意識不明の重体となった。ほかに従業員ら34人が重軽傷を負った。化学工場の内容についての連絡が不足して、二次災害を発生しているのは両者に共通している。連携を良くするというのは言うのは簡単だが、行うのは困難である典型例だろう。だから、小さなことから積み上げる作業を継続する以外にないのだが、技術の継承が難しい状況にある日本の化学産業ではそうしたいのは山々ということになるのだろう。

http://japanese.joins.com/article/974/160974.html?servcode=100&sectcode=110


韓国の話題は、そこが"好きな"人のブログで大きく扱われる。人の不幸は…ということか。

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