2017年7月13日 (木)

2人の死刑執行 金田法相では2度目 1人は再審請求中

法務省は7月13日、1990年代に女性4人を殺害し再審請求中だった西川正勝死刑囚(61)と、2011年に元同僚の女性派遣社員を殺害した住田紘一死刑囚(34)の死刑を執行した。金田勝年法相の執行は昨年11月以来、8カ月ぶり2度目(計3人)。再審請求中の死刑囚への執行は異例で99年12月以来。住田死刑囚は裁判員裁判で死刑判決を受けた確定者として、3人目の執行となった。
12年12月の第2次安倍内閣発足後では11度目、執行は計19人になる。同省によると、これで確定死刑囚は125人となり、うち92人が再審請求中となった。再審請求中は死刑を執行しない傾向があった。法務省には「執行を引き延ばすために、同じ理由で再審を繰り返す人がいる」との見方もある。一方、一家4人殺害事件で死刑判決が確定した袴田巌さんは再審開始決定で釈放され、昨秋には日本弁護士連合会も死刑廃止を宣言する中、波紋を呼びそうだ。金田法相は13日午後、臨時記者会見を開き、「いずれの事件も裁判所で十分審理した上で死刑が確定した。慎重な検討を加え、死刑の執行を命令した」と述べた。再審請求中の執行については、「再審請求を行っているから執行しないという考えはとっていない」と答えた。(朝日新聞:7月13日)


死刑制度について考える。


西川正勝死刑囚の主な容疑は、1991年のスナックママ連続殺人事件 (警察庁広域重要指定119号事件) である。被害者を下に記す。

  12月12日 兵庫県姫路市のスナック経営女性(当時45歳)を殺害
  12月21日 島根県松江市のスナック経営女性(当時55歳)を殺害
  12月26日 京都府京都市のスナック経営女性(当時55歳)を殺害
  12月28日 京都市のスナック経営女性(当時51歳)を殺害

手口に共通性が見られたことから広域重要指定されている。1992年に強盗容疑で逮捕されている。裁判で検察が主張した罪状は、強盗殺人(3件)、殺人、窃盗、強盗殺人未遂、強盗致傷である。再審請求を行っていたとされるが、過去の裁判を確認すると、第一審では全面無罪を主張した。二審では、姫路の事件についてのみ罪を認めたが、「人格・精神障害に加え、飲酒で異常酩酊下にあった」とし、責任能力を否定している。その他については無罪を主張した。最高裁の最終弁論で弁護側は、姫路の事件については認めたが、島根と京都の計3件について全面無罪を主張し、大阪の事件(強盗殺人未遂)については殺意を否定した。
判決はどの裁判でも、全面的に被告人の犯行として、死刑判決としている。被告人は犯行時35歳であったが、18歳の時に鳥取市内のスナックで女性経営者を包丁で殺害し、10年間服役している。その出所後まもなく、強盗致傷事件を起こし、また服役した。つまり、18歳から35歳までの17年間に、社会に出ていたのは5カ月に過ぎないという。
生い立ちにいろいろと問題があることを弁護側は主張している。情状を酌む為ということだろう。しかし、18歳以降の問題を考えると、更生の可能性を見出すのが難しい。それなら、むしろ刑務所の更生プログラムに問題がある事例だと主張する方が合理性を感じる。
最高裁の判決は、2005年6月7日である。その後も何度か再審請求を行っていたとされる。再審請求が、刑の執行を停止する要件には成り得ないというのが、法務省の立場である。死刑制度反対の立場からすれば、何をしても問題があるということになる。しかし、死刑制度を一定の合理性があると考える立場からすれば、制度の機能停止を狙った行為となる。法律を国民が支持しているという前提に立てば、違法行為でないにしても、法律を壊すことを狙っているのだから、道義的な犯罪だと言われよう。
裁判所が決して間違えないとは到底思えないし、検察は思い込みが激しそうだし、警察となると、ノルマ達成の為に無茶をするように感じる。狂暴罪じゃなかった共謀罪なる新たな取り締まり可能な便利なおもちゃを、警察に渡せば遊ばない訳がない。権力は暴走するものだし、確実に腐敗することになっている。偉い人は決して間違わないというのは、この国におけるある種の美徳として語られるが、現実社会ではこの美しさは失われている。そもそもないものをあると信じていただけかもしれない。現実主義者は、間違える可能性を排除してはならないのである。
しかし、この事件に関しては、間違いが入る余地が乏しい印象である。仮に姫路の事件だけで他は無罪と判断したとしても、死刑で良いのではないかという被告人ではある。こんなに雑に判決することはないだろうが、なんともやるせない仕事ではある。

三審制だから正しいという主張は、お止めになった方が良い。事実審を二回して、法律審を最高裁で一回するのが刑事事件の最大ということになる。法律審は、原審(控訴審)が認定した事実が、そのまま判決の基礎となる。殺人事件のような事案で、最高裁に持っていっても変わることが見出せないだろう。被告人が、東京近郊の刑務所や拘置所に入りたいという希望を叶える手段にはなる。
事実審二回もドラマのような展開には、なかなかならないようだ。刑事事件なら、検察の求刑に七掛けで結審に近い印象だが、判事が正しく判決文を書こうとしても、他の事案との公平性を無視することが出来ない事情があるから、結果は似たものになる。4人殺して、殺人の前科があるという被告人に、死刑の判決文を書けないのなら、弁護士に転じるのが良いということになる。


住田紘一死刑囚は、元同僚の女性を殺害した容疑で起訴されている。罪状は、強盗殺人、強盗強姦、死体遺棄・損壊、窃盗となっている。この被告人は犯行時29歳である。前科もない。裁判で事実関係を争うことはしていない。量刑だけが争点になっている。裁判の当初は、他にも女性を強姦しようとしていたとか、過去に交際した女性が結婚した相手を殺そうと計画したなど、心象を悪くすることばかり口にしたが、途中から反省を口にしている。永山基準からすれば、最高裁まで争われて不思議はない案件なのだが、地裁判決後に即日控訴したものの、その後被告人は控訴を取り下げ、確定している。
困った問題は他にもあって、この裁判は裁判員裁判で行われている。裁判員裁判の場合に、厳罰化の流れが出来てしまっている。これはプロの法律家である裁判官の判決と、裁判員裁判の判決が合致しなければならないという立場の人には具合が悪かろうが、判決方式という法律が変更されたのだから、その影響が判決に出るのは必然である。法律に違反していないのなら、それはそれで尊重されるべきことだと考える。それでも、裁判員裁判の判決が正しいか否かを、最高裁で憲法判断するのは有益であったと思う。しかし、被告人以外に利益を受ける者 (普通には不利益である) がいないから、裁判をすることが出来ない状態になった。この手の問題を、不利益を被る人以外が被告人席につけないことを考えると、最高裁とは別に法律や行政行為の憲法判断をする裁判所が必要な気がしてくる。
住田紘一死刑囚の事件は、遺体をバラバラにして遺棄するなど残忍なものであるが、その割に話題にならなかった。そちらの方が不思議ではある。この事件には、表に出来ない事情でもあったのだろうか。


法務大臣は、「人の命を絶つ極めて重大な刑罰。慎重な態度で臨む必要がある。裁判所の判断を尊重しつつ、法の定めに従って慎重かつ厳正に対処するべきだ」と述べている。法律が死刑制度を求めているのだから、法務大臣が個人の信条を理由に仕事を停止してはならない。役所が書く公式見解である。当然のことだろう。また、マスクをした役人が後ろにいたのだろうか。マスク不要になるよう、法務省の役人は、いっこく堂のところで修行をするのが良かろう。師匠と大臣など似たようなものだろう。


再審請求中を意識するなら、死刑執行に関して、裁判所の許可を求めるとでも言うのか。

2017年7月12日 (水)

蓮舫氏、戸籍開示へ 「二重国籍」問題沈静化狙う

民進党の蓮舫代表は、7月11日に開いた執行役員会で台湾との「二重国籍」問題について、自らの戸籍謄本を近く開示する意向を示した。出席者が明らかにした。これまで「個人的な問題」などとして慎重だったが、国籍を証明すべきだとの党内外からの批判を踏まえ方針を転換した。二重国籍を巡る疑念を払拭する狙いだ。
蓮舫氏の二重国籍問題は2016年9月に浮上した。自身は17歳の時に台湾籍を放棄したと説明していたが、台湾籍が残っていたことが発覚。蓮舫氏は台湾籍の離脱手続きをし、日本国籍の選択宣言をしたと説明している。ただ、戸籍謄本を公開していないことに一部から批判が上がっていた。11日の都議選総括のための会合でも、二重国籍問題について蓮舫氏に説明を求める声が上がった。政党支持率が上がらない要因として二重国籍問題を挙げる所属議員もおり、こうした批判に配慮した。(日本経済新聞:7月11日)


二重国籍について考える。


蓮舫が日本国籍を有していないのなら問題だが、問題は二重国籍である。その昔、アルベルト・フジモリが参議院議員選挙に立候補したことがある。比例で、結果は落選であったが、ペルーとの二重国籍は明らかである。当時は法律が現在と異なり、1985年1月の国籍法改正以前に二重国籍であれば、ここで日本国籍を宣言したと見做される規定があった。アルベルト・フジモリの問題は、日本では見做しで不問となったにしても、ペルーでは法律で二重国籍者が大統領になることを禁じているから、こちらは問題になる。
蓮舫の場合の問題は、台湾国籍を放棄したかが本質ではなく、過去に放棄したような話をしておきながら、蓮舫の言葉を信じれば、最近まで二重国籍であったことである。そっちを問題にするなら分かるが、二重国籍だった者を許さないというのは、出自による差別である。もし公的立場であるのだから、国民一般より厳しく求められる項目があって当然だとするのなら、被選挙権に二重国籍禁止を明示し、後で分かったら議員資格を失うとすれば良い。規定がややこしいのだが、成人になる前であるなら、二年間の猶予を与えていずれかの国籍を選択することを求めている。屋上屋を架すではないかと指摘されそうだが、作れない話でもないだろう。自民党が立法すれば良かろう。

民進党の不人気は、蓮舫の二重国籍の問題ではなく、共産党と手を組むのは嫌だとか、労働組合は尊重したい、否そうではないとか、もっと保守層に受け入れられる政策を打ち出したいとか、細かなことを気にし過ぎている。そもそも、そんな原理主義に走れば、十人未満の政党にしかならないだろう。共産党とも組めば良いし、労働組合の協力も得れば良い。新自由主義者も飲み込めば良い。そんなの政党ではないというのなら、自民党を見れば良い。極右と呼んでよい連中から、共産党の隣組として扱い可能な者まで幅広くいる。右翼集団になったのはごく最近のことで、それが今後も維持されるとは限らない。

蓮舫は代表を辞めれば良いし、代表など誰がやっても上手くいかない状況である。小沢一郎にでもお願いしたらどうか。それくらいの器が求められるということである。


戸籍の公開を当然に求めては、人権問題になるでしょう。

2017年7月 6日 (木)

「ミサイル、私なら原発より東京」 規制委員長が発言

原子力規制委員会の田中俊一委員長が7月6日、関西電力高浜原発がある福井県高浜町を訪れて地元住民らと意見交換し、北朝鮮のミサイルの脅威について、「(原発を狙うより)東京都のど真ん中に落としたほうがよっぽどいいんじゃないか」と述べた。「不適切だった」と後に釈明した。
田中委員長は、高浜原発3、4号機の再稼働を受けて、国の原子力災害対策指針などを説明するため、初めて同県を訪問。高浜町民約30人との質疑応答で、「ミサイル攻撃への対策は」との質問に、「原子力規制の範囲を超える」としつつ、「(敷地内での)大型航空機落下についての対策があり、相当の対応はできる」と説明。そのうえで、「小さな原子炉にミサイルを落とす精度があるかどうかよく分からない。私だったら東京都のど真ん中に落としたほうがよっぽどいいと思う。もう何万人、何十万人と住んでいるから」と述べた。田中委員長はその後、報道陣に「不適切では」と問われ、「戦争は絶対避けて欲しいが、戦争状態になったら原子炉だけの問題じゃないということ」「例えが不適切でないかといえば、不適切だった」などと釈明した。(朝日新聞:7月6日)


原子力規制委員会について考える。


田中俊一は9月に任期を迎えて退任すると先に報道があった。後任は山中伸介が予定されている。電子力発電に関する人選が、所謂原子力ムラの内輪で回していて、風通しの悪い組織運営と、利益誘導や都合の良い結論に導く傾向を指摘するむきがある。原子力発電所は扱っているモノがモノだけに金額で算出すれば大きな産業であるが、産業規模の広がりという面で見るとそれほどではない。そして生産するものは、電力でしかなく、産業廃棄物が放射性物質として国が管理する物であるから、自由競争というこの国を支配する経済原理から最も遠いところに位置している。
一度も官営になったことのない電力会社が、これだけ縛りのきついエネルギーで発電する理由が分からない。経営判断として、原子力発電を国に売って、民間企業としては化石エネルギーによる発電と送電で事業を構成するというのが、リスクを一定以上に大きくしないという理性というものだろう。百歩譲って原子力発電に可能性を見出すにしても、リスクヘッジをしなければならない。国か都道府県との合弁による発電会社までが妥協点である。事故があった場合に、企業が倒産することが決まっている仕事を、株主が承認する気持ちが理解出来ない。事故発生に関する保険を、ロイズが引き受けてくれるとも思えない。引き受けるのなら、日本国政府の裏書きは必須要件ではないだろうか。
誰も責任を問わない状況のまま、日本では原子力発電が稼働開始していく。稼働停止の判断は、民間企業である電力会社に致命的な経済負担を強いることになる。電力の安定供給を実現するには、原子力発電なしには達成し得ないという結論ということだ。しかし、事故が起きては手に負えないので、規則を明確にしようというのが、原子力規制委員会という組織の役割である。

北朝鮮のミサイルが落ちて良い日本の領土などある筈もないのだから、あっちよりこっちの方がましの発言が許されることもないのは、東京大学では学ばないかもしれないが、人生のある時期に学ぶものである。大学時代に学ぶかもしれないが、大学のカリキュラムには載っていないようだ。もしかしたら、Fラン大学と称される大学では、特殊教育として実施されている可能性もある。ビジネスマナーなぞという科目が単位になっている。田中俊一は学んだ方が良いことが沢山あると認識しなければならない。


知らないことが沢山あることを無視するのが、ムラ人の特性である。

2017年7月 5日 (水)

都議会議員選挙結果

地方議会の在り方について考える。


前回に続いて、東京都議会議員選挙の選挙区について考える。下に選挙区と定数、有権者数と投票者数、議員一人当たりの有権者数、投票数を示す。

■ 東京都議選の選挙区単位の1票の格差
    選挙区     定数    有権者数     投票者数   @有権者数   @投票者数
  -----------------------------------------------------------------------
  全体      127    11,081,157      5,681,864     87,253     44,739
  -----------------------------------------------------------------------
  千代田区     1      47,902         25,999     47,902     25,999
  中央区      1     122,516        62,164     122,516     62,164
  港区        2     194,384         86,201     97,192     43,101
  新宿区      4     261,824       129,177     65,456     32,294
  文京区      2     173,155        97,828      86,578     48,914
  台東区      2     157,714        81,156      78,857     40,578
  墨田区      3     219,314       113,453      73,105     37,818
  江東区      4     404,179       220,519      101,045     55,130
  品川区      4     318,560       165,640      79,640     41,410
  目黒区      3     229,319       115,491      76,440     38,497
  大田区      8     595,296       302,039      74,412     37,755
  世田谷区     8     742,205       380,975      92,776     47,622
  渋谷区      2     185,725       85,435      92,863     42,718
  中野区      3     273,400      138,677      91,133     46,226
  杉並区      6     472,067      242,729      78,678     40,455
  豊島区      3     226,297      113,417      75,432     37,806
  北区        3     282,128      161,262      94,043     53,754
  荒川区      2     165,955       87,849      82,978     43,925
  板橋区      5     457,587      236,136      91,517     47,227
  練馬区      6     595,935      309,808      99,323     51,635
  足立区      6     553,477      281,831      92,246     46,972
  葛飾区      4     371,895      185,801      92,974     46,450
  江戸川区     5     547,719      261,821      109,544     52,364
  -----------------------------------------------------------------------
  八王子市     5     463,897      243,506       92,779     48,701
  立川市      2     149,586      71,810       74,793     35,905
  武蔵野市     1     120,732      65,529      120,732     65,529
  三鷹市      2     152,825      79,587       76,413     39,794
  青梅市      1     114,103      57,992       114,103     57,992
  府中市      2     209,438     106,234      104,719     53,117
  昭島市      1      92,715      43,734       92,715     43,734
  町田市      4     351,989     191,078       87,997     47,770
  小金井市     1      98,627      47,795       98,627     47,795
  小平市      2     154,302      74,109       77,151     37,055
  日野市      2     150,943      74,863      75,472      37,432
  西東京市     2     164,790      81,049      82,395      40,525
  -----------------------------------------------------------------------
  西多摩      2     209,019      98,670      104,510     49,335
  南多摩      2     195,071     105,728       97,536     52,864
  北多摩第一   3     253,335     132,789       84,445     44,263
  北多摩第二   2     163,057      87,785       81,529     43,893
  北多摩第三   3     258,067     138,012       86,022     46,004
  北多摩第四   2     158,290      81,769      79,145     40,885
  -----------------------------------------------------------------------
  島部計      1      21,818      14,417       21,818     14,417


島嶼地域については、特例選挙区の扱いになっている。過去には千代田区も特例選挙区になっていたが、現在は通常の選挙区扱いになっている。議員一人当たりの有権者数は9万人弱で、投票者数で考えると4万5千人程度ということになる。1票の格差も地方議会にも存在する。上記の議員1人当りの有権者数を選挙区で比べてグラフ化したのが下である。数字の羅列を好むが、如何せん四十を超える行は長いので、グラフを使う合理性があると判断した。

Tmet
島嶼部の選挙区は、特例選挙区なので除いた。千代田区が最も少ない。逆に最も多いのが中央区である。共に1人区であるから、合区して2人区にしたとして計算すると、85,209人となり、全体平均の87,253人に近い数字に落ち着く。一票の格差是正には、結構な効果があり、現状の2.55が1.84 (新宿区と武蔵野市) まで改善する。武蔵野市と三鷹市を合区して3人区に改めれば、格差は1.74  (新宿区と青梅市) となる。千代田区、中央区、武蔵野市、青梅市と1人区が関係して問題が生じていることが分かる。
視点を変えよう。当選者が出るからには、落選者があり、それに投票した所謂死票が生じる。そこで、選挙区ごとの死票の割合をまとめたのが下である。例の如く、長い数字の羅列になっていることはご容赦願うよりない。

■ 選挙区ごとの当選者獲得票数と死票割合
   選挙区    定数    投票者数  当選者獲得票数  死票割合
   全体     127    5,681,864    4,027,849      29%
  -------------------------------------------------------
  千代田区     1      25,999      14,418      45%
  中央区      1      62,164      25,792      59%
  港区        2      86,201      50,613      41%
  新宿区      4     129,177     106,356       18%
  文京区      2     97,828      69,182       29%
  台東区      2     81,156      49,828       39%
  墨田区      3     113,453      78,623       31%
  江東区      4     220,519     146,025       34%
  品川区      4     165,640     110,212       33%
  目黒区      3     115,491      85,323       26%
  大田区      8     302,039     230,769       24%
  世田谷区     8     380,975     303,065       20%
  渋谷区      2     85,435      46,283       46%
  中野区      3     138,677      92,625       33%
  杉並区      6     242,729     189,218       22%
  豊島区      3     113,417      85,076      25%
  北区        3     161,262     121,251       25%
  荒川区      2      87,849      45,239       49%
  板橋区      5     236,136     173,712       26%
  練馬区      6     309,808     247,506       20%
  足立区      6     281,831     226,271       20%
  葛飾区      4     185,801     138,091       26%
  江戸川区     5     261,821     231,594      12%
  -------------------------------------------------------
  八王子市     5      243,506     187,286      23%
  立川市      2      71,810     41,858       42%
  武蔵野市     1      65,529     27,515       58%
  三鷹市      2      79,587     51,451       35%
  青梅市      1      57,992     31,603       46%
  府中市      2     106,234     66,078       38%
  昭島市      1      43,734     24,639      44%
  町田市      4      191,078     136,675     28%
  小金井市     1      47,795     16,039      66%
  小平市      2      74,109     47,379      36%
  日野市      2      74,863     46,842      37%
  西東京市     2      81,049     51,297      37%
  -------------------------------------------------------
  西多摩      2      98,670     61,297      38%
  南多摩      2     105,728     61,794      42%
  北多摩第一   3     132,789     95,765      28%
  北多摩第二   2      87,785     55,987      36%
  北多摩第三   3     138,012     102,763      26%
  北多摩第四   2      81,769      45,705      44%
  -------------------------------------------------------
  島部計      1      14,417       8,804      39%


小選挙区制の問題点として、死票が多くなるとする指摘がある。都議選の死票 (当選に寄与しなかった票数を投票数で割って算出) 割合の上位と下位の選挙区を下に抜き出した。これも島嶼部の選挙区は除いた。

■ 選挙区ごとの死票割合の高い選挙区と低い選挙区と定数、立候補者数
   選挙区    定数/候補者    死票割合
  小金井市      1 / 5      66.4%
  中央区        1 / 5      58.5%
  武蔵野市      1 / 3      58.0%
  荒川区        2 / 7      48.5%
  渋谷区        2 / 5      45.8%
  青梅市        1 / 3      45.5%
  千代田区      1 / 4      44.5%
  ----------------------------------

  八王子市      5 / 9      23.1%
  杉並区        6 / 12      22.0%
  世田谷区      8 / 18      20.5%
  練馬区        6 / 10      20.1%
  足立区        6 / 9      19.7%
  新宿区        4 / 7      17.7%
  江戸川区      5 / 6      11.5%


1人区で5人の立候補者があれば、票も割れるというものである。小金井市の例をとれば、投票率は48.46%で、この内の66.4%は当選した候補以外に投票している。つまり全体の16%強の投票で当選したということになる。立候補するのも自由だし、投票しないのも自由である。最低得票数を設定するのは、自由選挙に反する行為になりかねないとも思うのだが、この程度で代表かという気分にはなる。それでも、小金井市や中央区や武蔵野市の有権者の判断だから、とやかく言うのは間違っていると受け入れるとしよう。
問題点はそこではない。中央区は小選挙区制で1人を選ぶ方式で、新宿区は4人を選ぶ方式であることで、選挙費用や選挙戦術に大きな違いがあり、選ばれる者も違っているということになる。つまり、被選挙権について、地域による機会均等の原則が崩れていると指摘して良かろう。中央区で当選するのと、新宿区で当選するのと、どちらが難しいという議論ではない。異なった方式で代表を選ぶことに、何も感じないというのではいけないだろうという話だ。やはり、選挙制度としては、3人から5人の選挙区にするという、中選挙区制度に整える努力が必要だろう。完全小選挙区にする方式も考えられなくはないが、世田谷を8分割するのも大変だろう。もしやるなら、議員定数を半分にする程度のことは必要になる。議員は、自分達の椅子を守ることには党派を超えて協力する種族であるから、この方式が採用されることはない。だから、中選挙区である。世田谷を二分割くらいは受け入れられるだろう。残りは合区である。真の代表と呼ぶのなら、これくらいは考えなければならない。


特例選挙区ばかり増やしては、硬直化が侵攻するだけだ。

2017年7月 3日 (月)

自民支持層、4分の1が小池知事派に都議選出口調査

安倍政権への批判が高まる中で、自民は支持層自体がしぼみ、「都民ファーストの会」など小池百合子知事の支持勢力が自民支持層からも票を取り込む――。7月2日に投開票された東京都議選で朝日新聞社がテレビ朝日と共同で実施した出口調査で、有権者の投票行動から「自民離れ」の実態が浮かんだ。
学校法人「加計学園」をめぐる問題など、安倍政権への批判が続く中で実施された都議選。出口調査のデータから、自民への逆風の強さがはっきり表れた。自民を支持すると答えた層の割合は全回答者の26%。自民が大勝した昨年夏の参院選で実施した出口調査での36%と比べると、約1年で大きくしぼんだ。それでも支持層の割合では都民ファの24%と互角だった。ただ、実際の候補者への投票行動でみると、小ぶりになった支持層すら固められていない実態が浮かぶ。自民支持層のうち、自民の候補者に投票したのは67%と、7割を切った。4分の1は、都民ファや公明など、小池氏の支持勢力の候補者に投票していた。
一方、小池氏支持勢力の候補者は、都民ファ支持層をほぼ固めたうえ、無党派層(全体の21%)の過半数の52%を取り込んだ。無党派層の投票先を候補者の政党別にみると、都民ファ35%、共産17%、自民13%、民進10%、公明8%の順。無党派層に限れば、共産の候補者は、自民を上回る支持を得ており、安倍政権も小池知事も支持しない層の受け皿になっている様子がうかがえる。民進支持層も参院選時の18%から7%に大きく減ったが、無党派層の一定の支持を受けた。
今回の都議選では、自民との選挙協力を打ち切り、小池知事の支持に回った公明の支持層の票の行方が注目された。公明の候補者が出なかった21の選挙区で、公明支持層がどの政党の候補に投票したかを見ると、都民ファなど小池氏の支持勢力に77%、自民候補は17%にとどまった。共産候補、民進候補にはともに2%だった。年代別で、自民候補に投票した割合が特に低かったのは50代の11%、60代が12%だった。男女別では男性の15%、女性の20%が自民候補に投票した。1人区をみると、都民ファの候補者は中央区で公明支持層の81%、昭島市でも83%の票を集め、自民候補に大差をつけた。2人区でも、渋谷区で都民ファ公認候補と都民ファ推薦無所属候補に公明支持層票の38%ずつが配分され、ともに当選。選挙協力は功を奏し、自民候補を下した。
1999年に自民と公明が連立政権を組んで以来、各種選挙で公明支持層は自民を強力に支援してきた。東京都内はもとより、全国の衆院小選挙区で公明支持層の7割前後が自民候補に投票するのが常態であり、自民候補がそんな「高げた」を履くのが当たり前のような選挙が続いた。今回、その「高げた」が消えたばかりか、相手候補に渡ってしまった。公明の候補者が出なかった21選挙区で、自民は前回22議席を獲得していたが、それが7議席に減った。公明依存の選挙を続けた自民は大きなツケを払わされた。(朝日新聞:7月3日)


都議会議員選挙について考える。


過去の選挙結果を確認することにする。投票率と、主要政党の獲得議席数の推移を下に示す。

■ 都議会議員選挙投票率と政党獲得議席数推移
  投票日   投票率   自民  共産  都ファ  公明  民主  民進  ネット  諸派   無所属
  1989年   58.74%   43    14   ―    26
  1993年   51.43%   44    13   ―    25
  1997年   40.80%   54    26   ―    24    12    ―    2     1     8
  2001年   50.08%   53    15   ―    23    22    ―    6     1     7
  2005年   43.99%   48    13   ―    23    35    ―    3     1     4
  2009年   54.49%   38     8   ―     23    54    ―    2     2     2
  2013年   43.50%   59    17   ―    23    15    ―    3     7     1
  2017年   51.28%    23    19   49    23    ―    5     1     1     6


1989年と1993年の政党は、古い名前でその後統廃合があったので省略した。1997年以降の諸派はその他の政党の意味で、無所属は政党系のものもあるが、選挙時の扱いのままになっている。
組織力のある支持母体は、公明党や共産党に代表される。自民党支持者も組織力は高いだろう。一般に、新党が風に乗って高く上がる場合には、支持母体のしがらみの乏しい、所謂無党派層の投票が重要になる。つまり、組織力に優る政党は、投票率が低いと有利であるということになる。公明党の獲得議席数は安定していて、創価学会の政治の本丸が東京都にあると認識されているのだから、強いのは当然と言える。共産党は投票率が低いときに有利にも見えるが、そうとばかりは言えない結果になっている。共産党が評価される時期というのもあるようだ。一方、自民は投票率の低い1997年、2013年に大勝している。何だか分からなくなったので、42選挙区について、最下位で当選した候補者と、次点になった候補者の政党でまとめた。結果を下に示す。

■ 最下位当選と次点候補の政党
    政党名        最下位当選    次点
  自由民主党           15        29
  都民ファーストの会       7        1
  無所属              6        5
  日本共産党           8        2


最下位も次点も自民党が多い。前回大勝しているから、候補者を絞ることも出来ない事情もある。そこに逆風要因に事欠かない状況が発生すれば、自民党候補が複数ある選挙区で共倒れのケースも出てくる。都議会議員選挙が選挙制度の複雑さから、政党選挙である部分と、そうでない部分とが同居している。
自民党の次点がすべて当選すれば、52人当選となるのだが、最下位当選も自民党のケースがあるから、理論上の話としても破綻している仮定になる。単純な議論が可能な7つの1人区について確認してみる。自民党は、前回の選挙で7勝したのに対し、今回は1勝しかできなかった。長くなるが結果を下に示す。

■ 1人区の選挙結果
  千代田区
     ひぐちたかあき  都民ファーストの会     14,418
     中村あや      自由民主党          7,556
     須賀かずお    無所属             2,871
     ごとうてるき    国民ファーストの会       602
  中央区
     西郷あゆ美    都民ファーストの会     25,792
     石島ひでき    自由民主党          17,965
     森山高至     無所属             8,736
     立石はるやす   無所属             6,842
     さいとうかずえ  希望ファーストの会     1,347
  武蔵野市
     鈴木くにかず   都民ファーストの会     27,515
     松下玲子     民進党             22,493
     島崎よしじ     自由民主党          14,443
  青梅市
     森村たかゆき   都民ファーストの会     31,603
     野村有信     自由民主党          19,948
     つるた一忠    無所属             5,433
  昭島市
     内山真吾     都民ファーストの会      24,639
     中村たけし    自由民主党          12,544
     奥村ひろし    日本共産党          5,897
  小金井市
     つじの栄作    都民ファーストの会     16,039
     漢人あきこ    無所属             13,531
     広瀬まき     自由民主党          11,293
     朝倉法明     無所属             4,879
     うちこが宏     無所属             1,242
  ☆島部
     三宅正彦     自由民主党          8,804
     山下崇       都民ファーストの会     4,100
     綾とおる      日本共産党          1,225


今回の選挙で、公明党は都民ファーストを応援する立場を取っている。前回まで自民党に流れていた票が、そのまま都民ファーストに流れたことになる。1人区での公明党の票数は5,000票と考えると、自民党と都民ファーストとの差が1万票差なら、公明党との選挙協力が反転すると逆転ということになる。
それぞれの区議、市議の公明党の割合を確認すると、
  千代田区  2人 (定数25)
  中央区    4人 (定数30)
  武蔵野市  3人 (定数26)
  青梅市    4人 (定数24)
  昭島市    5人 (定数24)
  小金井市  4人 (定数24)

となっている。中央区と、青梅市、昭島市、小金井市は公明党の動きが違えばひっくり返りそうな印象である。この手の IF に意味がないのは承知しているが、確実な事実として、自民党の組織力が低下し、公明党との選挙協力を失うと、当落線上であった候補者が、泡沫候補に近い位置まで下がるということである。公明党側でも、自民党のタカ派的な政策に協力することで、公明党の周辺に多くある所謂F票を失ってきたデメリットもあるだろうが、政権与党であることの利権に関わるというメリットの大きさを考慮すれば、埋め合わせして余りがあるというのが現状分析であろう。つまり、自民と公明の選挙協力による利点を失わせると、結構自民は厳しいという現実が計らずも提示されたということである。
国政では自公の体制は変わらないということになっているが、内閣にすり寄るより生きる道がなかった議員が、それでは助からないと悲鳴を上げて流動化する可能性があるのだろう。それの良し悪しは予測不能なのだが、選挙命で生きる人達の価値観を理解しない者には、余りに難解な問題であるということは容易に想像が付く。


都民ファーストが国政に進出となれば、維新の会と同じように失敗するのは確実だ。

2017年6月30日 (金)

「落とすなら落としてみろ」 二階氏、相次ぐ問題発言

自民党の二階俊博幹事長は6月30日、東京都議選の応援演説で、自らの差別的な表現が報道されたことなどを念頭に「言葉ひとつ間違えたらすぐ話になる。私らを落とすなら落としてみろ。マスコミの人だけが選挙を左右するなんて思ったら大間違いだ」と述べた。問題発言や不祥事が続けて報じられ、都議選が自民逆風となっていることへの責任を報道機関に転嫁する政権幹部の発言が続いている。
二階氏は29日の応援演説で、ミサイル発射を繰り返す北朝鮮を「きちがいみたいな国」と表現した。精神障害者に対する差別的な表現で、直後に記者団に「表現として必ずしも適切でないものが一部あった。注意したい」と釈明。読売新聞など各紙がこの発言を報じた。稲田朋美防衛相も27日の応援演説で「防衛省、自衛隊としてもお願いしたい」と発言し、30日午前の閣議後会見で撤回とおわびに追い込まれた。二階氏は同日夕の国分寺市の演説で、自身を含む政権中枢の発言を伝えている報道機関に矛先を向け、「マスコミは偉いには違いないが、偉いと言っても限度がある。あんたらどういうつもりで書いているのか知らんが、我々はお金を払って(新聞を)買ってんだよ。買ってもらっていることを、やっぱり忘れちゃダメじゃないか」と述べた。安倍晋三首相も30日夜、小金井市での応援演説で「色々な報道によって、政策がなかなか届かなくなってしまっている」と報道への不満を漏らした。(朝日新聞:6月30日)


落とせるものならというのは、と考えてみる。


北朝鮮に対して、ミサイルを打ってみろと挑発している和歌山の田舎議員の戯言と思ったら、ごく普通にマスコミ批判をしている自民党の幹事長であった。順に振り返ってみる。
「きちがいみたいな国」という表現は、私的な会合で口にするのも憚られる表現である。二階は日常的に使っている様子が想像される。結構差別的な思想の持主かと思ったら、なかなかユニークなエピソードが紹介されている。大下英治の『小説 二階俊博』の中で、中学時代に外郭団体の主催する弁論大会のメンバーに選ばれた二階が、差別問題を主題とする島崎藤村の社会小説「破戒」を引用し、人権問題について演説したという。関西では同和問題に対する教育が丁寧に実施されていたというから、年齢からすれば差別問題を扱う環境に合っただろうと言う推定は正しいだろう。自民党系の同和団体というと自由同和会ということになるが、和歌山の役職に二階の名はなかった。自民党幹事長と兼務は無理がある。二階の子分が関係している様子は見えてくるが、それが批判されるものでもない。しかし、差別問題を中学生の頃に扱ったというエピソードを後生大事にする理由が分からない。政治家は選挙命であるから、これが票になれば消す理由がないという理屈には同意する。
そんな人権意識の高い国会議員が、「きちがいみたいな国」と口にしている。この言葉が成立するには、「きちがいみたいな人」か、「きちがい」という存在が不可欠で、文脈からすれば、この手の人は社会として迷惑な存在であるという意識がある。人権意識と相容れない思想と思えるが、差別でも同和問題に関心があり、障害者には無関心と理解するとしよう。
稲田朋美の発言は、違法性が指摘されるものである。マスコミの責任というより、発言者の問題として処理するのが妥当なところだろう。これで選挙結果に影響が出ても、稲田が発言しなければ報道されようもない。発言内容に問題があるから報道し、その結果として、選挙結果に影響した。それだけの話である。

「マスコミは偉いには違いないが、偉いと言っても限度がある」というのは、マスコミは偉くない。偉いのは選挙を勝ち抜いた議員であるということを、言っている政治用語である。故に、後半部分は、偉くもないのに不埒であると主張していることになる。大西英男が、「自民党に反対するような新聞、テレビには広告を出さないよう経団連に頼んでやる」という発言と同じことを、買っている人の言うことを聞けと主張している。経済原理主義ということである。興味深いのは、政策がなかなか届かなくなってしまうの内容である。政策が実施されたのに、知られないと言う意味なのか、良い政策であるのに、国民が知らないので実現されないのいみなのだろうか。どちらも困ったら、大本営の御用達である読売新聞に頼むのが良かろう。自由民主やりぶるを読売新聞の折り込み広告にしたら良いと思うが、そんな提案は二階からは出て来そうにない。


偉い人は決して間違えない。二階は信じているようだ。

2017年6月27日 (火)

大本営発表:プレミアムフライデー、3人に1人が参加

大本営発表を意図通り紙面に展開する読売新聞に、「プレミアムフライデー 定着の兆し」との見出しで、一面を埋め尽くす記事が出ていた。電車の中で、他人が読んでいるのを覗き見たという、極めて礼儀知らずな情報の入手方法であった。その後、少々足を延ばして、図書館で確認すると、全面広告であった。大本営も読売新聞ではなく、赤旗にでも掲載してくれれば、容易にこれは広告と理解できるのだから、随分といけずである。

プレミアムフライデーは、消費喚起策で今回(6月30日)で5回目である。経産省が経団連などと連携して推進している。月末の金曜日に早帰り可能と思うのが凄い。営業関係なら売上の集計があるだろう。何としてでも売上を達成しろという外勤者の場合もあるし、週明けの会議に報告出来るように資料作成する内勤者もいそうだ。経理関係で経費の取りまとめというのも、容易推考といえる。そもそも土日休みの暦で働いている人のみが対象であるから、ざっと3人に1人は非対象ということになる。
さて、御用記事ではなく広告を確認する。紙面には「3人に1人が"プレ金"に参加」という小見出しがある。テレビのインタビューでは、早く帰れないというのがほとんどであったが、それは番組をつくる側の都合が入っていると主張することは可能である。
プレミアムフライデー推進協議会がアンケート調査に準備した設問が分かる。それは、「いつもより早く帰ったかどうかに関わらず、普通の週末にはできない過ごし方ができましたか?」である。おや、プレミアムフライデーの本来の趣旨は、「15時に仕事を終える」であったのではなかろうか。宗旨替えをしてしまったのだろうか。しかし、何とも、この手の操作をやってしまっては、アンケート調査の意味が無くなる。
第1回のプレミアムフライデーだった2月24日の直後に行われた調査がある。ここで、実際に「早く帰った」人はわずかに3.7%どまった。(株式会社インテージ調査速報値) この調査で、実施・奨励されなかったという回答が九割近くあった。1回目の状況が4回までに大きく変化したのなら価値のある結果である。というより、むしろこちらの方が価値がある。価値があると言ってくれ読売新聞。

上に広告とあるから間違えないと言えば、その通りではあるのだが、大本営の発表を掲載する新聞なのだから、広告ではなく、政府発表として貰った方が理解し易い。政府だと都合が悪いのなら、内閣府でも良いし、官房機密費を使って官房長官がオーナーになったって良い。定着の兆しなどという広告は本来ない。定着したプレミアムフライデーで楽しい週末を過ごしましょうでなければ宣伝にならないではないか。広告にならない、しかも事実とは異なる内容をねじれた情報で発表して何が楽しいのか。それなら、アベノミクスは大成功、黒田バツーカ炸裂とか、広告を打たなければならない話には事欠かない。


首相の通院の為、金曜日は早めに引き上げます、というのなら説得力はある。

2017年6月23日 (金)

須藤凜々花、24日握手会参加予定 NMB支配人“騒動”謝罪

NMB48の須藤凜々花(20)が交際相手と結婚するために卒業する意向を明らかにしてから一夜明けた6月22日、NMB劇場支配人の金子剛氏は公式ブログで「ご心配をおかけしており申し訳ございません」と謝罪した。
その上で須藤の行動について「グループを盛り上げようと頑張っている彼女に嘘偽りはないと側にいて、私自身感じております」と理解を示した。24日には千葉・幕張メッセで握手会に参加予定。結婚発表後初めてファンと交流する場となる。(スポニチ:6月23日)


AKB商法について考える。


次のシングルで歌うメンバーを選ぶ選挙を行っている。随分前に扱った気もする。調べたら2013年6月に扱っていた。この商法については、上品な手法とは思えないが、投票する側がそれで良いのなら自由にすれば良いという理解である。かなりいびつな商売になっているという認識は持っている。
選抜総選挙の総投票数と上位、そして話題の須藤の票数の推移を下にまとめた。

■ AKB48シングル選抜総選挙推移
 回数   開票日    候補者数   総投票数   上位獲得票数      須藤獲得票数
 1回 2009年7月8日    98名        ―        54,026 (1-30位)
 2回 2010年6月9日   104名      380,000     354,074 (1-40位)
 3回 2011年6月9日   150名      1,166,145    1,081,332 (1-40位)
 4回 2012年6月6日   237名      1,384,122    1,271,050 (1-64位)
 5回 2013年6月8日   246名      2,646,847     2,185,253 (1-64位)
 6回 2014年6月7日   296名     2,689,427     2,277,636 (1-80位)
 7回 2015年6月6日   272名     3,287,736    2,735,423 (1-80位)     圏外
 8回 2016年6月18日     272名     3,255,400    2,741,477 (1-80位)    21,559
 9回 2017年6月17日   322名     3,382,368    2,629,360 (1-80位)    31,779


20位である須藤は3万票強である。16位までが選抜メンバーで、7位までに入れば主力メンバーという扱いになるそうだ。そこで7位と16位の得票数の推移を確認したのが下である。

■ AKB48シングル選抜総選挙7位・16位氏名・得票数
  回数   第7位    得票数      第16位     得票数
  1回  板野友美     2,281      峯岸みなみ    1,414
  2回  小嶋陽菜    16,231      北原里英     8,836
  3回  高橋みなみ  52,790      河西智美     22,857
  4回  小嶋陽菜   54,483      梅田彩佳    24,522
  5回  松井玲奈   73,173      須田亜香里   43,252
  6回  島崎遥香   67,591      川栄李奈    39,120
  7回  宮脇咲良   81,422      武藤十夢    44,637
  8回  須田亜香里  69,159      小嶋陽菜    40,071
  9回  横山由依   58,314      吉田朱里    35,540


このフロントでテレビに映る位置になる線、CDに顔が出るという線に妙味がある。前者が7万票、後者が4万票だとすれば、2,000円のCDを仲間たちと大量買いして、集中投票すれば何かが変わると思わせることが可能だからである。つまり自分の100票で何かが変わり、仲間と組めば確実な手応えになるのである。当落線上に10人が並ぶことのほうが、継続的に市場を刺激する効果が期待できる。1位の票数の多さが商売の中心にはない。ピークは過ぎたと思われた総選挙で、投票数が増えた事情はこの辺りにありそうだ。

須藤の票数は16位にもう一息のレベルである。ファンを刺激するに十分な条件である。それがハレのイベントで結婚、卒業を発表した。贔屓筋の反発は必至である。アイドルが傷付けられた事件が幾つもあったことを考えれば、本人が出演したいといっても止めるのが運営側の責任だろう。


事件を期待しているということは……。

2017年6月19日 (月)

首相、加計「深く反省」 内閣改造で人材担当相

安倍晋三首相は6月19日、国会閉幕を受けて首相官邸で記者会見した。学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設計画を巡る国会の議論について「深く反省している」と表明。信頼回復に向け丁寧に説明していくと訴えた。内閣改造・自民党役員人事を検討する意向も言明。今夏に人材投資で有識者会議と担当閣僚を設けると強調した。
国家戦略特区を活用した加計学園の獣医学部新設計画を巡っては、政府は適切な手続きだったと説明する一方、文部科学省の追加調査で「総理のご意向」などと書かれた文書の存在が判明。野党が「行政がゆがめられた」と批判していた。首相は「文書の問題を巡り対応が二転三転し、国民の政府への不信を招いたことは率直に反省しなければならない」と語った。首相は今国会で成立した「共謀罪」の趣旨を盛りこんだ改正組織犯罪処罰法に関し「国民の命と財産を守るための法律」と適正運用を訴えた。加計問題と合わせ「国会の開会、閉会にかかわらず、わかりやすく丁寧に説明したい」と述べた。内閣改造は「重要政策で大きな推進力を得るには人材を積極的に登用し、政府でしっかりした体制をつくることが必要だ」と検討する方針を示した。党役員人事を含め「これからじっくりと考えていきたい」と語った。首相は「人づくり革命を断行し、日本を誰にでもチャンスがあふれる国へと変えていく」と政府が経済財政運営の基本方針の目玉施策に位置づけた人材投資に取り組む考えを強調。今夏に具体策を詰める有識者会議「みんなにチャンス!構想会議」を立ち上げ、担当相もつくる意向を示した。(日本経済新聞:6月19日)


総理の記者会見について考える。


毎度おなじみの国会閉幕後の記者会見である。安倍は反省を口にするが、反省する前に学習せいと思うのである。反省する必要などない。責任を取れば良いだけである。と思って会見の文章を読み返してみたが、反省などしていない。野党が悪くて議論が進まなかったという論理で言い訳し、改良共謀罪、本当の名前は忘れた、は必要な法律だと自画自賛していた。みっともない話だが、みっともないと感じない感性の持主が政治家稼業に就くことになっている。他の誰かであっても程度の差でしかあるまい。
政治家が、反省を口にして、責任を取るつもりがないのなら、外向きにはそれで良かろうが、本当にしなければならない仕事は、学習することである。学習から最も遠いところを歩んできた様子が経歴から見えるから、これも求めてはいけない話なのだろう。

共謀罪について扱っていなかったので考えよう。一般の市民は対象にならないそうだ。仮出所していて、当然のことながら暴力団組織から足抜けした元ヤクザは、どうだろう。もちろん、暴力団は指定団体であるとする。そんな元ヤクザといっても、偽装足抜けである可能性もある。足抜けが事実か否かの判断は、警察が行うことになっている。共謀罪が公安調査庁のみが用いるというのなら色々チェックされる可能性もあろうが、これとて当然の如く警察組織も恩恵に与ることになろう。足抜けを警察が判断して、偽装足抜けだとの疑いで対象者になり、警察が共謀罪の適用をするという話になる。
どうせ元ヤクザか現ヤクザかの違いで、堅気ではないから良いではないかという論理もあろう。しかし、この元ヤクザが沢山出入りする家があったらどうだろう。これらに仕事を与えようとしている企業経営者はどうだろう。これらは表面上堅気であると思われている。
元ヤクザの出入りが多い家は保護司の家である。元ヤクザを雇用しているのは、更生活動に理解のある篤志家の方である。どちらもボランティアである。恐らく、辛い思いも多く経験していることだろう。冗談のような話であるが、これらのプログラムは共謀罪を説明している法務省の担当である。物を知らないフリか、真に知らないかしている法務大臣は、こんなこともご存じないと語るのだろう。
保護司は法律で定められている。定員に満たない状況が続いているが、全国で47,939人の保護司がいて、26.1%が女性であるという (定員は52,500人)。全国保護司連盟は、法務省に更生の妨げと、再犯増加の心配を法務省にしたほうが良い。ヤクザは嫌いだし、世の中にいない方が良いと確信するが、差別を固定化して良いこともないことが先人の経験である。篤志家の思いをねじ伏せる行為である。法務省は、ヤクザなどずっと刑務所に居れば良いと思っているのだろうか。それだと、刑務所の収容人数が足らないという現実がある。刑務所の収容定数は9万人程度である。指定団体の22暴力団の構成員数は17,000人強とされる。大丈夫だというのは難しい。だって、ヤクザは出所しないことになるのだから。
共謀罪の趣旨説明をしたのも、刑務所を所管するのも、保護司を委嘱するのも法務省の仕事である。保護司に定年制を設け、76歳未満(新任時65歳以下)としたのも、保護司を実質的に活動停止し、叙勲目当ての形式的な職にして、刑務所は民間委託して、という考えを法務省が持っているのなら、それを表明すれば良い。無給のボランティアである保護司をするのが、例えそれが叙勲目当てであったにしても、誰が批難できようか。もし批難されるのなら、保護司の仕事を行わなかったことである。正しい仕事を評価するのが役所の本来の業務というものだろう。無能大臣の答弁を聞くと、その役所の役人が皆等しく無能に見えてくるから不思議である。安倍は文科省だけでなく、法務省の役人にも弁明の機会を与えるのが良かろう。

獣医学部新設の問題で、既得権益の壁に穴を開けたと主張する。しかし、実態は、既得権を自分に近い人物に移し替えたという、新たな既得権が発生したと言うことに過ぎない。お友達に優遇措置が取られると言う行為、百歩譲って、そう疑われてしまうような行為は、真に既得権益を公平公正に作り変えると主張する者の取るべき策ではない。愚かである。

みんなにチャンスというのは、電通に発注したのだろうか。それにしてはお粗末である。みんなというのは、安倍やその周囲の人に近しい人に対し、等しくチャンスを与えるということである。安倍が国民を指導し、豊かに導く政策として、アベノミクスを実行している。これをありがたく思うようにということである。国民を指導する立場にある、安倍家の皆さまに失礼のないようにしなければ幸せになれません。失礼があった場合には、共謀罪で処罰されます。安倍家というのは、共産主義国家の共産党より高い地位を有しているようである。
共謀罪で、警察は一般市民をこの罪で逮捕しないと説明する。警察はいつでも正しい仕事をする。これを疑うのは、やましい行動をしているからだと批判される。権力は暴走するものである。そして、権力は必ず腐敗する。暴走しない仕組みと、腐敗しない風通しの良さの必要性を歴史から学ぶ。正しい仕事をする人は、未来永劫犯罪に手を染めない。一方で、犯罪に関わる人は、高い蓋然性をその生い立ち、乃至は遺伝的特性にある。よって、犯罪者の家族は隔離されるべし。日本で、この手の差別が当然にされていたのは、最近ではないが、それほど昔のことでもない。北朝鮮を笑う理由も見出せないくらい、安倍王朝は似通ってきている。


安倍お友達券は、どこで買えるのだろうか。

2017年5月31日 (水)

「総理は言えないから私が」と首相補佐官が…前次官証言

安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設計画について、前川喜平・前文部科学事務次官が朝日新聞の取材に対し、昨年9~10月に和泉洋人・首相補佐官と首相官邸で複数回面会し、「総理は自分の口から言えないから、私が代わって言う」などと言われたと証言した。「獣医学部新設を早く認めるよう求める趣n旨だった」と語った。
昨年9~10月は国家戦略特区での獣医学部新設について、内閣府と文科省の担当者間で協議が続いており、農林水産省などから新設に必要とされる獣医師の需給見通しが示されないとして、文科省が慎重姿勢をとっていた時期にあたる。前川氏の説明や同氏の手元の記録などによると、昨年9月上旬から10月中旬に首相官邸の補佐官室に複数回呼ばれ、いずれも和泉氏と2人きりで面会した。前川氏は昨年9月上旬の面会について、「和泉氏から、獣医学部の新設を認める規制改革を早く進めるように、という趣旨のことを言われた。『加計学園』という具体名は出なかったと記憶しているが、加計学園の件であると受けとめた」と証言。そのうえで「このときに和泉氏から『総理は自分の口から言えないから、私が代わって言う』と言われたことをはっきり覚えている」と語った。(朝日新聞:5月30日)


獣医学部について考える。


岡山理科大学に獣医学部が新設されることが、政治家とその友人に関わる怪しげな話として話題になっている。獣医師が一部分野で不足することを理由にして、四国という獣医大学がないということと重ね合わせての例外指定、つまり特区という妙な名の制度で認めたという話である。規制緩和を重視する考えを採れば、獣医師会なる既得権益の集団の利益より、社会が受けるであろう利益を重視すれば良い。過当競争が生じて、結果、社会の不利益が生じる場合も無くはないだろうが、それがどうしたと言う話でもある。獣医師という国家資格を有することと、獣医師が国家から守られる存在だということとには、随分と距離があると感じる。少なくともこの国の体制のもとで、後者の様な状況は発生し得ないと確信する。
有資格者の就職先が、犬や猫を扱う動物病院に集中している状況を問題視するなら、獣医師の資格を犬猫と、経済獣と、医療実験用に分ければ良い。それが無理なら、製薬会社が欲しいだけ供給するから数字を出せと厚生労働省が指令を下せば直ちに集計されることだろう。実際のところ、獣医師がどれだけ増えても構わない。この領域の過当競争が、ペットの命を蔑ろにする環境を招くと言うのなら、現在のペットブリーダーから販売店の在り方について真剣に調査するのが良い。どの役所も、暗黒の領域に踏み込む気はないし、自身の所属する省庁の扱う内容でないと逃げ出すだろう。言訳が、既得権の保護に向かい過ぎている。獣医師の質が低下するというのも杞憂である。獣医師の低下は、国家試験で検証すべき事柄だし、定期更新の義務付けでも対応可能である。これをしないのもまた、既得権者の圧力に屈しているということである。
言い訳に難くせをつけてもきりがない。獣医学部を開設予定の岡山理科大学の経営状況について確認してみる。結果を下に示す。

■ 岡山理科大学資金収支推移 (単位:百万円)
年     学納金  補助金  その他 帰属収入合計  人件費  教育研究経 管理  その他  消費支出合計
2015    8,953    716   1,031    10,700      5,266    2,521    590      1    8,378
2014    8,922    784    955    10,662      5,218    2,576    692    141    8,628
2013    8,773    923    754    10,450      5,275    2,722    533    315    8,844
2012    8,426   1,258    636    10,320      5,244    2,650    541    126    8,561
2011    8,065   1,181    555     9,801      6,463    2,722    604    138    9,927
2010    7,739   1,232    370     9,341      4,941    2,802    559    142    8,444
2009    7,275   1,222    515     9,012      5,173    2,725    524    146    8,568
2008    7,351   1,026    512     8,889      5,204    2,809    598    159    8,770


この学校法人は、他にも大学を有するが、岡山理科大学で公表しているから、倉敷芸術科学大学、千葉科学大学は無関係である。100億円程度を集めて、90億円くらいを使っている大学である。今回のように今治市という既存の大学と異なる立地に校舎建設となれば、計画的に余剰金を蓄えておく必要もあるのだろう。
ところで、獣医学科のある大学の経営がどうなっているかを確認してみる。国内には5つの私立大学に獣医学科がある。この中で、日本大学と北里大学は同じ大学の中に医学部を有しているので覗いて、他の3つの大学について収入の推移で比較してみた。岡山理科大と並べて下に結果を示す。

■ 日本獣医生命科学大学、酪農学園大学収入推移 (単位:百万円)
年     日本獣医大    酪農学園大     麻布大     岡山理科大
2014     4,674       5,486        12,005       10,662
2013     5,884       7,436        15,492       10,450

2012     5,174       6,458        15,968       10,320
2011     4,461       7,678        17,663
        9,801

麻布大学の方が収入が大きい。岡山理科大学の規模による可能性もあると思い、学部限定で在籍者数を確認したのが下である。

■ 岡山理科大学の学部別在学者数
   学部名        在学者数
  理学部          2,235
  工学部          2,157
  総合情報学部      658
  生物地球学部      559
  教育学部         269
  経営学部         144
  --------------------------
  学部計          6,022


理科大学というのだから、理系の単科大学かと思ったら、教育学部もあった。教育学部には小学校教育コースもあり、これだと一般の教育学部と同じである。大学名で内容を決めるのが愚かだということである。教育学部は2016年から、経営学部は2017年から開始である。この二学部で人数が少ないのは、始めたばかりということに尽きる。本来なら600人規模になるところである。
なお、学部に限定したのは、理系学部であっても、私立、地方と重なれば大学院への進学者数が激減するからである。そもそも大学院を置く理由がないと感じるくらいなのだが、その話は別の問題になるのでここまでにする。獣医学科のある三大学との在学者数の比較を下に示す。

■ 獣医学部のある大学の学部在学者数
大学名            学部在学者数    内獣医学科数
岡山理科大学         6,022           -

酪農学園大学         3,545           836
日本獣医生命科学大     1,724           569

麻布大学            2,592           894

岡山理科大学は獣医学部の定員を160名で計画しているから、6年揃った暁には960人ということになる。実のところ160名というのは大きくて、100名強というのが現実的な水準であると思われる。獣医学部が出来て六年後に岡山理科大学がこの学部構成で続いているとすれば、在学生数は8,000人規模ということになる。地方の大学の規模としては大きいが、絶対値として大きい大学ということはない。
獣医学科があることで、大学の運営に大きな負担が生じることが分かる。獣医学科は医師に比べれば収入は圧倒的に低いから、大きな資金と投入して獣医師になるというのも、経済的な合理性は見出し難い。その分、学費が安いという見方も成立するのだろうが、こんな経済原理だけで決めてしまうのは、新自由主義の悪い傾向で、積み残したリスクはみるみる拡大して、将来の社会的損失を生み出す恐れがある。リスクの最小化というのは、多様性以外に選択肢はなく、多様性は非効率とほぼ同義である。学問をするのは、多様性の進行に等しいと思って良く、そこから生み出されるものは、経済的非効率であるが、安定した社会である。安定したが短期的に見れば確実に破綻するから、この論理を潰すのは容易であるが、人間の文明と文化の進歩を百年単位のスケールで見れば、経済合理性だけで選ぶ勇気はなかなか持てないものである。知らないのは最強だから、勇気があったりするものではあるのだが。
ということで、比較の三大学の獣医学科とその他の学科の初年度納入金額を比較する。数字は大学受験パスナビによった。結果を下に示す。

■ 獣医学科のある私立大学の初年度納入金額 (単位:円)
    大学名            獣医学科       他
   岡山理科大学           ―        1,530,000
   酪農学園大学         1,444,000     1,344,000
   日本獣医生命科学大学   2,631,000     1,725,000
   麻布大学            2,577,740     1,824,660


岡山理科大学は愛媛大学と包括的連携・協力協定を締結している。国公立大学の獣医学科は、共同獣医学部 (科) や大学協定を締結している。これは何を示しているかといえば、国内の獣医学科の教育環境が充実していないということで、予算がないから苦肉の策として協力してやっていくことを決めているということである。共同獣医学科の例として、2012年に岩手大学・東京農工大学があり、大学協定として2013年の宮崎大学・東京大学がある。この距離をどう埋めるのかという実務的な問題もあるが、そもそも近くにある大学が例外的な状況にあるから、このような状況になる。
獣医学科で公衆衛生関係の講義をする場合には、医学部が同じ大学にあれば協力可能になるのだが、上記三大学では日本獣医生命科学大が日本医大と同じ学校法人であることを除けば期待できない。岡山理科大学はそれを期待するし、愛媛大学では動物が介在する伝染病の研究に成果を期待しているのだろう。愛媛大学は随分と楽観的である。

岡山理科大学は初年度250万円クラスで獣医学科を考えているのだろう。250万円というのは、200万円でも300万円でもないという程度の話である。他の大学の獣医学科の状況を考えるに、簡単に運びようがない。何かスポンサーが付く理由でも見出しているのだろうか。
過去のブログで書いた京都産業大に獣医学科をつくる話の方が価値を見出し易いと感じるが、大阪に獣医学科があることを理由にされれば仕方ない。本筋は、国公立大学の定員拡大と同時に予算付けをするのが本筋だと思う。理由は、私立大学の進路が、ペット関係によっているのに対し、国公立大学は役所や研究者に進む割合が高いからである。特区の要素を新設大学で満たそうと思うと、本当は難しい。国立大学獣医学科に付属施設を併設するのが筋が良いと思うが、国立大学の定員を増やすというのは、今日的な選択ではないのだろう。


下々の者が動いたことを、上の者がなかったと説明するのは、コントである。

2017年5月23日 (火)

大西議員 がん患者に「働かなくていい」暴言、謝罪も撤回せず

自民党の受動喫煙対策に関する会合で、タバコの煙に苦しむがん患者に関し「(がん患者は)働かなくていい」との趣旨のヤジを飛ばした大西英男衆院議員(東京16区)が5月22日、党本部で会見を行い「私の発言でがん患者や、元患者の気持ちを傷つけたことを深くおわびします」と謝罪した。会見では神妙な顔で失言だったことを認めたものの、傷つける意図はなかったとして発言の撤回は「ありません、ありません」とした。
大西氏の発言を受け、がん患者団体が一斉に猛反発。「全国がん患者団体連合会」はホームページに、大西氏を名指しはせず「国会議員の発言」とし、「がん患者の就労のみならずその尊厳を否定しかねないもの」と批判する文書を公表。別の患者団体も会見で怒りをあらわにした。
身内からも批判が相次いだ。自民党の下村博文幹事長代行は大西氏と党本部で会い、厳重注意した。また、同党の二階俊博幹事長は記者会見で「大いに反省させることが大事だ」と強調した。問題発言があった党部会は15日に行われた。出席した三原じゅん子参院議員が、職場でタバコの煙に苦しむがん患者に言及した際に、大西氏が「働かなくていい」とヤジ。三原氏は子宮頸がんを克服し、参院議員になったがんサバイバーだけに、その日のブログには「仲間であるがん患者の皆さまに謝罪の気持ちを持ってもらいたい」と記し反省を促していた。(スポニチ:5月23日)


ヤジについて考える。


大西は日頃から問題発言をしている人物である。大西の問題は、責任のある場所での発言ではなく、それ以外の場所で注目されることにある。もちろん、議場でも問題のある発言をしているのだが、議場は何を言っても良いところである。大西の不規則発言の例としては、「まず自分が子どもを産まないとダメだぞ」、「巫女のくせに何だと思った」、というのがあった。何をしたいのかが分からない。訴えたいことがある訳ではなく、自分が偉いと主張したいだけのようだ。
大西の特性をそのように推定して今回のヤジを振り返る。三原の健康への影響を心配しているという内容の発言に対して、そんなに心配なら、ガン患者はそんな環境の職場で働かなければ良い、という趣旨であったろうと想像される。十分な分煙対策を講じることと、労働環境について事前に周知する必要があるということ、それらが一定水準達成されるのなら、発ガン性に関して必要以上に神経質になるのは行き過ぎだという考えはあるだろう。これとて、いかに上手に発言したところで、今日の環境では否定的な意見で叩かれるのが必定である。
大西は正式には発言する機会ではなく、会議のヤジとして匿名を良いことに騒いで、その後、自身の発言だと特定されると判断するに至り詫びることになった。

ヤジは嫌いである。最も嫌いなのが、発言する機会の与えられた側が発するものである。大西は自民党厚生労働部会において発言可能な立場か否かについて知らないが、発言機会の可能性がないということもあるまい。党内の部会である。正式な手続きにより可能になるものだろう。正式な手続きで排除される可能性も、もちろん大いにあるだろうとは想像されるのではあるが。
ヤジで攻撃する手法は、発言している者を遮ることが目的になっている。よって、大西の目的は三原がガンの経験者であり、社会的な弱者ぶって発言しているのだから、そんなに弱いのなら外に出るなという方向性にあるのだろう。つまり、ヤジである以上、言葉に論理的な解説を加えたところで、差別的、排除的な色は残るというものである。

本当の関心は別のところにある。自民党厚生労働部会が非公式な場であると認識されて、三原は部会長から、この問題について表だって言及することを控えるよう求められたという。おかしな話である。部会長は誰かを調べたら、どうやら渡嘉敷奈緒美であるようだ。過去に不倫疑惑で有名になった人だが、薬剤師でもある。都議会議員選挙への影響を心配してのことだろうが、発言したのだから、その責任は負わねばならない。要らぬ配慮である。そんなことばかり気を使っていると、部会長は仕事をしないで良いと言われそうだ。そもそも、大西は仕事をしていなさそうだが。


私はあなたの意見には反対だ。だがあなたがそれを主張する権利は命をかけて守る。(Voltaire)

2017年5月22日 (月)

毎日新聞の陛下発言報道を否定

天皇陛下の退位を巡る政府の有識者会議のヒアリングで、保守系の一部専門家から「天皇は祈っているだけでよい」などの意見が出たことに、陛下が不満を漏らしたと毎日新聞が報道したことについて、宮内庁の西村泰彦次長は5月22日の記者会見で「陛下が発言をされた事実はない」と否定した。
毎日新聞は21日付朝刊で「陛下 公務否定に衝撃」「『一代限り』に不満」との見出しで報道。保守系の専門家の指摘に、陛下が「批判をされたことがショックだった」と話したことなどを紹介した。毎日新聞社は社長室広報担当名で「十分な取材に基づいて報道しております」とのコメントを出した。(ロイター:5月22日)


天皇陛下の発言について考える。


天皇が宮内庁以外の役所に要求を言えば、憲法に抵触すると問題になる。その自覚を持ち、自身の意見を公表する方法を役人と一緒に検討するのが皇族、特に天皇家の手法である。それ以外の方法は考えられないということだろう。
このような事情を考慮すれば、毎日新聞の記事で、宮内庁経由で官邸に意見を発信したというのは、事実であるか疑わしいところである。官邸に向けて発言することもあるだろうが、それは決して漏れてはならない発言として扱われるものである。それ故、毎日新聞の報道を誤報とは思わないが、すべてまとめて真実と思うには躊躇いを感じるのである。

電車に乗っていたら、記事の内容について、人権問題だと言う人がいた。皇族に人権など無い。選挙権はないし、職業選択の自由もない。宗教選択の自由もないし、結社の自由もない。かろうじて学問の自由は許されているとも言えるが、受け入れ先の都合という理由で差別されても文句は言えない。そもそも、この国にあって、唯一門地による差別が法律で認められている存在である。
東京大名誉教授の平川祐弘や上智大名誉教授の渡部昇一らが、「天皇は祈るだけでよい」と発言したとされる。公務の負担軽減を考えて、国事行為以外を切り離しで、残った部分を国民に向けるのなら、確実に肉体的な負担は軽減されようという発想なのだろう。アサハカである。
象徴天皇制の制度化の皇室の在り方について、最も真剣に考えて来た者の一人は、今上天皇であることは疑いようがない。この制度を将来も維持することを前提にしたときに、広義の公務を遂行出来ない状態が生じれば退くものだとする指標は、この先にも必要になるものと信じたとしても不思議はない。一代限りでは、個人的な我が儘に見えるし、そもそも、皇族という存在に我が儘という言葉が近しいものだとは到底思えない。

保守系の専門家と称する者は、天皇制を維持することが、日本のプレゼンスを高めるのに効果的であり、特に外交交渉について顕著である、などとする経済中心の思想によって判断しているのだろうか。天皇制など経済原理で計測するものでもあるまい。象徴天皇制は戦後のものだし、帝国憲法下での天皇の地位にしたって、それ以前のものと連続性が十分にあるというものではない。だから、続いていることだけに価値があるというのなら、経済原理として正しいのだろう。しかし、保守政治家などと称する者たちに主張に従えば、具体的には自民党の憲法草案に見られるように、「家族は、社会の自然かつ基礎的な単位として、尊重される。家族は、互いに助け合わなければならない」の頂点に位置するのが天皇家というものだろう。これを激しく批難するが、思想良心の自由は保障しよう。それなら、天皇家の地位についてのありようを真剣に考えろと言いたい。
今日において金銭というのは、欲望の数値化に過ぎない。天皇制の経済効果を算出して、損得を出すのは自由であるが、それだけですべてを決められるものではない。最近の保守政治家やその取り巻きという輩、失礼、方たちは、新自由主義経済に毒された天皇制を掲げるとウケが良いとして、便利に用いているだけの存在ではないか。



天皇家に、祈るだけのよく、続いているだけで価値があるというのは、本気で絶倫パンダとして保護するつもりのようだ。そもそも基本的人権が無い存在であるのだが、許されるものとそうでないものがある。ワシントン条約で保護する対象にすると同時に、エセ保守政治家を特定外来種として駆除の対象に指定したらどうだろうか。絶倫パンダに害はないが、特定外来種はこの国の国土を荒廃させてしまう。

この国の文化としての天皇制について、国民が自由に判断し、総意をいかにまとめるかという課題である。特定のお友達の利益で動かす話題ではない。それだけの話を、どうして歪めるのだろうか。



皇族に被選挙権を与えたらどうか。法的には嫁に出れば立候補可能ではあるが。

2017年5月17日 (水)

眞子さま婚約へ 大学の同級・小室さんと

宮内庁は5月16日、秋篠宮家の長女、眞子さま(25)が国際基督教大(ICU)在学時の同級生だった小室圭さん(25)と婚約されることを明らかにした。小室さんは横浜市在住。東京都内の法律事務所に勤務し、一橋大大学院にも在学している。一般の結納に当たる「納采(のうさい)の儀」を経て結婚される見通しだ。
16日夜に取材に応じた宮内庁の山本信一郎長官は「しかるべき時期に宮内庁から発表するべく計画を進めていた。お二人の準備が整えば婚約内定を発表したい」と述べた。正式発表の時期は未定という。皇室典範の規定により、眞子さまは結婚後、皇族の地位を離れられることになる。(日本経済新聞:5月17日)


皇族について考える。


秋篠宮家に男子が生まれてから、女性宮家の話は下火になった。女性天皇に抵抗の少ない民主党から、反対意見を持つ者を支持者とする議員が存在する自民党に政権が移ったことも影響していよう。男系に限るとする原理主義者も、制度の手直しなしでは、今上天皇の孫の世代に男子が一人のみである状況からすれば、制度の維持が難しいことは理解していよう。現行の制度変更なしで、制度は維持するというのなら、この原理主義集団は、リスクは信念で回避可能であるというアンティークな思想で支配されているファンタジーな世界に暮らしているということだ。

原理主義者の主張を支持しないでもない。男系皇族に限定している制度を維持し、もし該当者が存在しない状況になれば、制度を閉じるという考えである。天皇家に伝わる様々なものは、国の財産と認定されているようだから、国宝が失われる心配はない。物質としての文化財にダメージはないということである。国の行事に関わる事柄については法律の改正が必須であるし、憲法の改正も当然求められる。それは戦後の様式美の類と割り切ればなんとでもなる。天皇家の儀式の在り方については、その後も宮内庁で儀式を継続すれば良い。弘法大使が入定しているのだから、それと同じような発想であっても構わないだろう。真言宗の方に怒られるのは承知しているし、いやはや何とも不敬罪である。

制度維持に関するリスクを理性的に捉えれば、男系を継続するとなると過去に皇籍離脱した男子を皇籍復帰させるということになる。昭和22年10月14日の皇籍離脱者の男系子孫が対象となるが、現在二十歳前後である対象者はどれくらいいるのだろうか。少なくとも、結婚していては配偶者を皇族に迎え入れるという作業に障りがあろうから、独身であることが必要となるだろう。皇籍離脱者の対象になったのは11宮家であるが、想像されるほど該当者は多くないようである。一般の国民を公表する必要性も感じないが、該当者がどのくらいいるのかくらい示しても良いと思う。これとて、該当者に皇室に移ることを強制できる筈もない。百人の該当者がいても、受け入れる人が一人もいなければ成立しない。適切か否かについては該当者のリストアップから始めるよりないが、その先の道筋が描けない。

天皇制を維持継続するとなれば、女性天皇を認めるのが現実的な解になるのは分かる。しかし、既に皇室を離れた紀宮清子内親王(黒田清子)、高円宮家の典子女王(千家典子)が近くにあり、他の女性皇族との不平等とする意見がある。制度変更による不平等は避けられないから、ここでは議論しないことにする。
過去に寬仁親王が、自身の二人の子 (ともに女性) に対し、いずれ皇室から離れることを前提に躾けているという趣旨の発言をしていた。親としては当然だろうが、それを理由に法改正が出来ないという話でもない。情緒的には惹かれるが、論理的には汲む余地もない。また、寬仁親王の発言について、マスコミから憲法上の制約を受ける立場であるので、控えるのがよろしかろうとする報道もあった。今上天皇が発言するのはまずかろうが、他の宮家なら皇室制度に対する発言くらいあって良い。不必要な配慮である。

基本的な立場を明らかにしておこう。皇室の在り方は国民が決めれば良いと考えている。止めても良いし、継続しても良い。外交上の利点は多くあるから、経済的には負担はあっても継続するとリターンも期待されるという見方も成立しよう。しかし、それが継続する理由であってはならない。文化というのは、経済活動ではない。
最も問題なのは、皇族の立場である。皇族は法律で基本的人権が激しく制限される立場である。逆な見方からすれば、憲法で門地による差別を認められている立場である。こんな制限を受ける立場は、極めて限定的でなければならないし、制限も小さくしていくのが良いと考える。それでは皇族ではないという意見もあろうが、歴史に裏打ちされた制度は、そんなに脆弱ではない。もし脆弱性が心配されるのなら、国民からの尊敬の念の方である。こっちが失われるのなら、制度を取りやめにして、文化財になるか、宗教法人になるかすれば良かろう。繰り返す。国民が決めることである。
ということをまとめると、女性宮家の創設ということを選ぶことになる。一般の環境の中で二代に渡り生活したのなら、それから皇族になっても主体的な立場で行動することもなかろう。女性皇族に、元皇族の子孫を配偶者に迎えるというのは、現実的な妥協点になるのかもしれないが、発言不可の皇族に押し付けるのは忍びない。本件に関して発言を解除する法律を作りたいと思うが、発言しないものなのだろう。

不敬罪を承知で言えば、男性皇族に、和歌山の絶倫パンダのようになることを期待するか、サラブレッドでも禁止している人工授精で大量に子孫を増やすか、という非常識なことが解決案になるのだろうか。個人的な家庭の問題であれば、成り行きで仕方ないで済ませれば良いことではあるが、法律で規定される立場というのは制度維持と直ちに関係するから困る。現在の法律では皇室を離れるのだから、婚姻により離れるで良い。それが国民から祝福されるのなら、なお良い。


ヤクザ政治家に忖度が向けられて、皇族に忖度が向かわない。何たることか。

2017年5月10日 (水)

自民・麻生派と山東派が合流へ 額賀派抜き第2派閥に

自民党の麻生派(44人)と山東派(11人)が合流する見通しとなった。派閥を率いる麻生太郎副総理・財務相と山東昭子元参院副議長が3月15日に会談し、合流の時期や新派閥の役員人事を巡って詰めの協議をする。
山東氏は3月10日、国会内で記者団に「一緒になる気持ちを固めた」と述べた。両派のほかに、佐藤勉衆院議院運営委員長ら谷垣禎一前幹事長を中心とする谷垣グループの一部議員も加わる予定。55人の額賀派を抜いて、最大派閥の細田派(96人)に次ぐ第2派閥となる。今国会の閉幕を待って合流する方針。合流後のトップには麻生氏が就く見通しだ。麻生、山東両派のほか、岸田文雄外相が率いる岸田派、谷垣グループの議員は「リベラルな保守中道勢力を結集する必要がある」との方針から合流を念頭に協議を重ねてきた。岸田派は派内の結束を優先し、合流には加わらない方針だ。(日本経済新聞:3月10日)


自民党の派閥について考える。


山東派というのは、三木派―河本派と続く流れの派閥である。三木武雄の政治姿勢は難しいものがあるが、山東派の議員は、それに比べれば随分と保守色が強い。麻生派は、河野派の流れで、河野派は宏池会である宮沢派の分裂で、河野洋平と麻生太郎に政治信条での共通点を見出すのが難しいくらいだから、宏池会の流れというものでもあるまい。自民党が右向け右をしているところで、左に寄る政治家も少なかろう。安倍の政治手法が数ありきに依っているのだから、派閥が数に向かうのは当然ではある。しかし、小選挙区制度での議会議員選挙が実施される中で、派閥の役割は急速に衰え、党執行部の裁量が拡大している。この状況であっても、群れを成さないと如何ともし難いのが政治の世界のようである。逆に言えば、大きな群れに属していれば安泰ということでもある。安倍一強の時代に国会議員になると、こういった嗅覚は鍛えられることだろう。

谷垣が自転車事故で入院し、幹事長を辞めて久しい。嗅覚が強くなくても、身の振り方を考える者は現れるだろうし、身の振り方を考えないという選択肢で生き残りをかけるという者もあるだろう。政治家の病状というのは、漏れたらお終いの世界である。強いプロテクトがあって当然ではある。
一方で、山東はまだ議員だったのかという存在だし、麻生も安倍が二回やっているから私もと思ったとしても不思議ではないが、薹が立つという表現を選ぶのに躊躇する経歴である。政治家が生臭くなくなると、政治家としての生命を終えることになるのだろう。引退を口にしないのなら、脂ぎった活動をすることに価値を見出すのが彼らの価値観ということになる。この脂ぎった生臭さアンテナが、安倍政権がこのまま続くとは思えないと受信したということなのだろう。ただのノイズである可能性も高くあるのではあるが。


山東、麻生がリベラルな保守中道勢力では吹いてしまう。

2017年4月28日 (金)

東京・杉並の違法建築マンション 不動産業者に賠償命令 東京地裁

東京都杉並区のマンション敷地内に戸建て住宅が新築され、マンションが違法建築となった問題で、住民1人が不動産業者3社に住宅の撤去などを求めた訴訟の判決が4月28日、東京地裁であった。谷口安史裁判長は「住民に対応を検討する十分な機会を与えなかった」として戸建て用地を販売した「フロンティアライフ」に33万円の支払いを命じた。撤去請求は退けた。
建築基準法は敷地に建てられる建物の延べ床面積(容積率)の上限を規定。マンションが建築確認の際に申請した敷地内に新たに住宅が建つと、土地の「二重使用」となり、マンションの方が違法建築となる。マンションは底地と駐車場部分を敷地として建築確認を申請。敷地全体の所有権を取得したフロンティア社が駐車場部分を転売し戸建て6棟が建てられた。判決はフロンティア社に「住民が駐車場を敷地として利用できるよう協力する義務があった」と判断した。(産経新聞:4月28日)


建築基準法について考える。


駐車場をマンションの用地に含めて申請したが、その後、駐車場を分譲してしまったという話である。建物の建蔽率や容積率は、この土地の面積を基礎として算出する。分譲する大型マンションの場合には、この基準の最大を守る数字で建設するのが普通だから、土地が切り離されると不都合が生じる。不都合というのは、建築基準法違反の建築物になるということである。
違反建築の場合にどのような対応が取られるかを考える。マンションは既に分譲され、住人がいる状況であるので、このようなケースで行政による是正措置が命じられる可能性は低いと言われるが、まったくない言い切れるものでもないようだ。事情があったことを考慮すれば、ないと思って良さそうだ。
マンションを建て替えようとした場合はどうだろうか。建物自体を建て替える際、容積率・建蔽率・斜線制限に違反していると、元と同等の規模の建物にすることは出来ない。しかし、マンションの建て替えは大変なことで知られているから、現実的な問題として発生するかと言えば、可能性は低い。もしするなら、容積率違反分部屋を減らすということになる。大きな資金が動くから、実務担当者には作業負担が増えるが、やるだけのことである。
もう少し現実的な例を考えよう。マンションは晴れて違反建築と決まったので、売ってしまえと思う人もあるだろう。このマンションの売却は可能である。しかし、違反建築物であるという旨を重要事項説明として伝える必要がある。報道されて有名になっているからこれ自体は少しのマイナス要因に過ぎない。しかし、購入予定者が住宅ローンを組もうとすると問題になる可能性が出てくる。住宅ローンの審査基準に、建築基準法に適合しているかという項目があるからである。築物が許容範囲外の違反であった場合は、融資対象外となる。結果として、価格を抑えて売却しなければならないということになる。これは実際的な問題である。それでも、すでに住宅ローンの審査を通っている人に影響することはないから、売却しなければ良いというだけの話である。

問題が生じることを考慮すれば、6棟分譲した土地をマンションの管理組合で購入すれば済んだ話である。google Map で当該地域を見ると、マンションの大きさに比べて、小さな分譲住宅である。買って駐車場として貸し出せば良いだけのことである。マンションが比較的新しく、管理費の積み立ても乏しく、土地購入という大きな負担は受け入れられない事情は容易に想像が付くが、それをしないから違法建築になってしまった。
不動産業者に支払いを求めた判決は、不動産会社に一定の説明責任を求めたものであるが、建物の撤去などの原状復帰にまで及んでいない。つまり、マンション住人にも、一定の注意義務はあったという判断なのだろう。自分の財産である。そのくらいは求められるだろう。見えないところで、家ができた訳でもない。

問題のマンションは、第1種低層住居専用地域にある。建蔽率60%、容積率150%となっている。都市部といっても商業や政治の中心からは少し離れている。このくらいという数字である。日影規制値種別は(二)とある。これは、5mを超える範囲:4時間以上、10mを超える範囲:2.5時間以上、測定水平面:1.5mということだが、内容はサッパリ理解出来ない。普通の場所に、少々大き過ぎる建物をつくったということのようである。


容積率が200%になれば、違法建築でなくなる。だれか忖度してくれないか。

2017年4月25日 (火)

今村復興相、辞任へ=震災「東北で良かった」発言で-安倍政権に打撃

今村雅弘復興相は4月25日、東日本大震災について「東北で良かった」などと発言した。この後、発言を撤回し、責任を取り辞任する意向を固めた。安倍晋三首相は早急に後任の人選に入る。被災地では強い反発が出ており、震災復興を最重要課題に位置付ける安倍政権にとって大きな打撃となる。
今村氏は25日夕、東京都内のホテルで開かれた自民党二階派のパーティーで講演し、東日本大震災について「(発生場所が)東北の方だったから良かった。これがもっと首都圏に近かったりすると莫大な、甚大な被害があった」と述べた。今村氏は講演後、記者団の取材に対し、発言を撤回し謝罪する一方、いったんは辞任を否定した。だが与党の公明党からも「政治家として自ら出処進退を決断すべきだ」(大口善徳国対委員長)との声が出たことを受け、辞任を決断した。(4月25日)


政治家の発言について考える。


東北で発生した先の地震が、首都圏を震源とした場合との仮定で比較すれば、被害の大小は想像するまでもない。しかし、それを持って幸いという言葉を選ぶ理由には成り得ない。少なくとも、今村が発言を求められている立場は復興大臣であることによる。それでこの程度をよしとする思想に基けば、被害を受けた人達が、受け入れなければならないもので、国はこれ以上何も支援しないと理解するよりない。それなら復興大臣などという職は不要である。復興大臣というのは、復興に関して国は手を貸さないとする説明と、拒絶を担当する立場であると理解するなら、今村は正しい発言をしたと言える。実際、つい先ごろ、自己責任と被害者を切り捨てる様な発言をしている。前回は擁護した任命者の安倍は、日和ってしまって直ちに不適切な発言だと表明してしまった。復興する気がないのにある振りをするのは、余分な期待を膨らませる分、罪作りである。
今村が不適切だと認識していなかったのは、講演の後にマスコミに囲まれて指摘された際に、どこが問題なのか認識しきれないでいて、訂正しろというなら訂正するという態度に表れていた。東京大学法学部卒業の今村に教えてやるというのは、随分と失礼に思われるだろうが、単純な状況判断機能は大学では学べないものである。問題発言か否かを判断するのは、東北を今村の出身地の佐賀に置き換えて、地元の後援会でスピーチ出来るかで容易に判断可能だ。今村が佐賀で起きた地震で多くの被害が出たことに対し、福岡の都市部でなくて、こっちの方で起きたのが幸いしたと発言できるだろうか。

今村は、佐賀県鹿島市生まれで、佐賀県立鹿島高等学校、東京大学法学部卒業し、1970年、日本国有鉄道に入社している。国鉄では主に人事・労務関係の部署に所属したという。民営化後は、九州旅客鉄道で経営管理室長や関連事業本部企画部長を務めたという。東大を出て、当時の三公社五現業に就職するというのは、気位の高さを感じさせるルートである。発言にも感じさせるものがある。
今村が今回発言したのは、特別に注意する必要がないと考えていたからであろう。前回の自己責任の件で、特段の処分はなかったのだから、そう理解していて当然である。それが、安倍からいきなりクビにされた形だから不本意であろう。衆議院議員であるが、九州ブロックの比例選出であるから、70歳であることを考えると次回の選挙で公認を得られるかは厳しいところだろう。つまり、今回の大臣就任が花道であった可能性が高い。これでお終いということになるのだろう。

安倍晋三と昭恵夫人の学校法人に関する問題で、あの程度で済んでいるのだから、少々のことは問題にならないと思った者がいても不思議はない。しかし、大臣では駄目だ。なんだか、問題発言が続きそうな気配ではあるが。


安倍だって同じ考えだ、と大声で叫んでも、何も得られないのが国会議員である。

2017年4月17日 (月)

「一番のがんは文化学芸員」 山本地方創生相が発言

山本幸三地方創生担当相は四月十六日、大津市のホテルで地方創生に関するセミナーに出席し、外国人観光客らに文化財などの説明、案内が不十分として「一番のがんは文化学芸員。この連中を一掃しないと駄目」などと発言した。学芸員やがん患者らに対して不快感を与えかねない発言。不適切だとして野党側が追及するのは必至だ。
セミナーの質疑応答で、観光振興について問われ、山本氏は「文化や歴史を理解してもらう観光が最も長続きする。文化財をきちんと説明できるかが勝負」と回答した。その上で、外国人に十分な説明ができていないと指摘。大英博物館も学芸員を辞めさせて成功したとして批判した。山本氏は終了後、報道陣に「二条城(京都市)でも当時の生活を再現しようとしたら学芸員が反対した。彼らだけの文化財にしてしまっては資源が生きない」と指摘。「『一掃』は言い過ぎたが、文化財はプロだけのものではない。学芸員も観光マインドを持ってほしい」と釈明した。(東京新聞:4月17日)


一番のがんについて考える。


組織のガンという表現は古くから見られる表現である。半世紀くらい前にはあったと思う。あるいはそれ以前だろうか。先にこのガンの治療状況から確認する。ガンの治療効果が高いのは、初期に発見したものであることが知られる。基本的に治癒と言う表現が難しい病気である。医療の世界では、5年以上寛解の状態が続いたことをもって治ったと思うことにしている。一般に用いられる5年生存率は、5年経っているが再発している事例が含まれることになるが、厳密な解釈より、一般的な傾向を確認することが重要と考え、ごく初期の状態であるステージ1と診断されたガンについて、5年生存率の比較をまとめたのが下である。

■ ガンステージ1における5年生存率比較
           5年生存率  手術をした場合
  食道癌      75.4       81.5
  胃癌       97.0       98.1
  大腸癌      98.7       99.2
  肝臓癌      55.9       70.3
  胆のう癌     62.6       67.3
  膵臓癌      31.9       40.7
  喉頭癌      94.3       94.8
  肺癌       80.4       83.5
  乳癌(女性)   98.8       99.0
  子宮頸癌    92.7       93.6
  子宮体癌    95.3       95.6
  卵巣癌      89.1       89.0
  腎臓癌      97.5       98.5
  膀胱癌      93.2       93.1
  甲状腺癌    100        100


ステージ1の定義に微妙な解釈が存在するが、気にしないで進めることにする。ガンが漢字になっているのは、気分の問題なので無視して欲しい。成績の悪いのは、肝臓癌、胆のう癌、膵臓癌である。これらを除くと手術可能であれば9割を超えるものがほとんどである。福島県の子供で問題にされる甲状腺癌はとっても成績が良い。放射性物質による内部被曝による影響が懸念される病気であるが、仮になってもその後の成績が良い。それでもQOLが下がってしまうという指摘もあるだろうが、他の癌に比べれば低下の度合は著しく小さいとされる。福島県の子供に関する放射線被曝被害を疑う団体は、癌の特性についても認識しておく必要がある。甲状腺癌が問題ないという話ではないが、深刻にとらえる人が多くなるように誘導していると感じるのである。

さて、癌に関する治療は、早期発見でないと治療成績が悪いことが分かる。早期に治療に罹れば、その後のQOLも下がらずに済むというものである。山本の発言は、ガン患者について、感染症のように広がる可能性がある印象を持たせてしまう点で、大きな誤解を生む可能性がある。ガンが伝染病でないことなど明らかで、ガンが体内の色々な部位に転移する様を言っているのは承知しているが、それだと学芸員が組織を壊してしまい、文化財を価値のないものにしてしまうと理解するよりない。学芸員の重要な仕事の一つに、文化財の保護があるのだから、人目にさらされないように保護する傾向の強い学芸員がいても不思議ではない。それは、山本からすれば観光に貢献しない組織のガンであるのだろうが、文化財を観光目的に晒すことで破壊されてしまっては、要件の一つを放棄したことになる。保管と調査研究だけしていると言いたいのかもしれないが、それならそう言えば良い。
単純な結論になるが、山本の業務理解の浅さが知れる。それに、地方創生に文化財で観光に大きな貢献が期待するというのなら、具体的な事例を示してみれば良い。集客力が期待できる文化財は、東京や京都などの都市部に集中していて、地方には目玉になる文化財が少ないのが現状だろう。地方都市で、文化財を周辺から集めるイベントを行えば、相応の集客もあるかもしれないが、そんな提案をした、あるいは検討した形跡はないから、口の利き方が気に入らない学芸員を、別の場所でくさしただけの出来事と見るのが妥当なのだろう。気位ばかり高くて、モノを考える習慣の乏しい御仁ということである。


そういえば、桜を見る会が企画されて、首相とサクラ芸能人が集まったそうだ。安倍はそこで、川柳を披露している。

  風雪に 耐えて五年の 八重桜

マスコミ報道では、5年とアラビア数字表記がほとんどである。東京新聞は五年とあるので、プレスリリースした訳でもないのだろう。5年はちょっと困ってしまうが、皮肉ということなのだろうか。まあ、最大の皮肉は、これを俳句を披露と報道していることである。俳句として読めば、風雪が冬の季語で、八重桜は春で、それも桜の中で最も遅く咲くものである。季語の扱いが無茶苦茶である。風雪は冬を指すものではなく、比喩的表現として、きびしい試練を意味するのは当然だが、紛れを避けるのが作法というものである。
額面通り解釈すれば、雪の舞う中を五年も耐え続ける八重桜である、ということになろうか。これだと、安倍の意図するところは、五年の間、苦しいこともあったが、今日、鮮やかに花開いたというところになる。風雪は、寒い時期を超えてという別の言葉に置き換えるのが相当だし、五年間じっと耐えて桜が咲いたでは、去年は咲かなかったのかいとなる。そこで、難解な意図を想像を巡らせれば、五年間辛いことが多くて、季節の変化にも気付かずにいたが、見上げて見れば八重桜が満開に咲いている、ということになろうか。オツムも緩いが、情緒にも欠ける。


オツムの緩い首相も、気位の高い地方創生担当相も、政治マインドを持って任務に当たって欲しい。

2017年4月11日 (火)

浅田真央、12日に引退会見 海外からも惜しむ声

故障に苦しみ、4月12日に現役引退の記者会見を開くことになったフィギュアスケート女子の浅田真央(26)。真摯に競技に取り組む姿勢は広く感動を呼び、引退を惜しむ声が相次いだ。(朝日新聞:4月11日)


テレビで追悼番組をやっていた。何があったのかと思ったら、引退発表とのことである。恥を知れ、である。
浅田真央は、世界選手権に3回優勝し、オリンピックで銀メダルが1回、GPファイナルに4回優勝、GPシリーズの優勝が11回といったところである。荒川静香が、世界選手権の優勝が1回、オリンピックの金メダルが1回、GPシリーズの優勝が1回と比べれば、オリンピックの金メダルの価値の大きさに大きな差があるという解釈で良さそうだ。オリンピックで金メダルを取るのは大きな価値であるが、何度も挑戦して取れないというのも、別の価値を生み出すということである。いずれにせよ、日本人はオリンピックが大好きだ。本当に好きなのは日の丸なのだろうが。

浅田真央は既に過去の選手である。全日本選手権での優勝は2013年が最後である。選手寿命が短い競技で、長くトップであり続けるのは難しい。選手としてのピークが20歳前後である場合の多い競技である。金の掛る競技でもある。多くの国内上位選手が、大学卒業と同時に競技を引退する。競技活動を中断出来る環境に浅田があったのは、スポンサーに恵まれたことによる。スポンサーが付いたのも、浅田に商品性があると判断したからで、誰に後ろ指さされるものでもない。今回の追悼番組が放送されたのも、視聴率が期待できるのと、放送に耐えるだけのソースが確保されていることがあっての話である。活躍期間が短ければそれも難しい。
結局のところ、引退は必然であり、もう少し前でも誰も驚かないし、先延ばししてもそうだろうということである。この時期になったのは、会見で明かされるような報道ではあるが、何も語られないだろう。この選手は言語表現に難がある。
人気のある選手なので、いろいろとご機嫌伺いをして、今後の番組に協力して貰いたいという下心が見えてくる。これも十分あるのだろう。しかし、商品ライフがそれほど長くないこと、気の利いた口をきけそうにないこと、きっと出演料が高くなること、これらのことは考慮されているだろう。本当のところ、棚ざらえであった可能性もある。

浅田は学校に行っていない。大学卒業しているが、スポーツ科なので、国際大会での活躍が評価されている部分はあるのだろう。中学、高校もほとんど行っていないという。村上佳菜子が制服を譲り受けて喜んだという記事が過去にあった。真新しいブレザーは、着ていないのだから、ほとんど新品であったろう。学校教育が万能だとは考えないが、学校教育というか、教育を否定しスケートだけに価値があるとした母親の躾は、競技を離れた瞬間に崩壊するだろう。競技指導をするにしても、大変そうではある。


真摯に競技に取り組まないトップがいるのだろうか。

2017年4月 7日 (金)

終末期の望まない蘇生、救急隊員「医師確認し中止を」

自宅などで最期を迎えようとしている終末期の患者に対する救急隊員の対応について、各地の消防本部や救急隊員、医師らでつくる「日本臨床救急医学会」は4月7日、提言を発表した。心肺停止後の蘇生処置を望まないと事前に書面で残している場合、かかりつけ医に是非を直接確認した上で蘇生処置を中止するよう求めた。
総務省消防庁の基準では、生命に危険がある場合、応急処置を行うよう定めている。ただ最近は蘇生処置を拒否する意思を事前に表す人が増えている。こうした場合への対応は示されておらず、現場では救急の原則か患者の意思尊重かで対応に苦慮している。同学会は2015年4月に検討委員会を立ち上げ議論してきた。提言によると、患者が心肺蘇生を希望していない場合、家族は「119番通報をしないのが望ましい」としている。しかし容体の急変に慌てて救急車を呼んでしまうことがある。こうしたケースでは現場に駆けつけた救急隊員は、家族などから蘇生処置を希望しないとの書面の提示を受けたとしても、心肺蘇生を始めるべきだとした。その上で、かかりつけ医と連絡をとり、中止を指示されれば患者本人の意思を尊重して心肺蘇生を中止する。かかりつけ医と連絡がとれない時は、日常の救急業務で相談している医師を代役として指示を求めるべきだとしている。都内で記者会見した同学会の坂本哲也代表理事は「提言を参考に、地域の消防、医師会などが集まって運用をどうするか議論していただきたい」と述べた。(日本経済新聞:4月7日)


帰りの中央線は高尾行きだった。
比較的すいていて、座席に座ることが出来た。すると、なんだかデパートの一階の匂いがする。
右隣を見ると、ピカピカのメイクをした若い女性がいた。随分と赤い口紅は、会社帰りのOLには見えないが、水商売でもなさそうだ。お祝いに行く風でもない。膝の上に抱えた大きな紙袋のブランドは、残念なことに知らないが、紙質から想像するに高級ブランドだろう。綺麗に整えられた髪、整った肌の表情は、メイクだけの技量で補えるものでもあるまい。
お嬢さん、高尾山の自殺者は多いが、山岳信仰の対象であるから、自殺の場所の選択として最適ではない。そもそも、その踵の尖った靴は、山に入るには相応しくない。虫は少ない時期ではあるが、まだ少し寒い時期である。高い山でないとはいえ、少し薄着過ぎる。
それなら、終点の高尾駅で十分ほど待てば河口湖行きが来る。それに乗って、次の相模湖駅で降りれば、人造湖である。人間が近年造ったものなら、信仰の対象から外しても良いという考えも成立しそうである。しかし、それは新興宗教を伝統的な宗教より下に位置する考えと批判されるかもしれない。しかし、湖から上がった死体の損傷は激しいことが知られる。美しい仕上がりのメイクには惜しいところだろう。
他人を傷付けるのは、許されないだろう。しかし、傷付ける先が自分自身であれば、思想良心の自由となるのか。自殺を禁ずる宗教は多いが、宗教など興味がないとする思想もあろう。倫理的な考えを押し付ける根拠もない。ただ、自殺しようとしてしくじると、救命救急に関わる人達が、全力で究明しようとするだろう。つまり、失敗すると社会に迷惑を掛けることになる。

救急隊員の対応に新たな判断を持たせようとしている。まったくもって愚かである。救命の為の訓練を行い、鍛練を積む専門家の仕事には、救急救命の任務のみに限定されるべきものである。仮に何らかの事情により、患者が心肺蘇生を希望していないという錯誤が生じた場合に、救急隊員が批難されるに決まっている。これは理不尽である。このような小さな穴が鍛練を積むというダムを崩しさる。救急隊員は通常期待される仕事を迅速に実施すれば良い。患者が希望していないことや、患者の家族もそうであったにしても、救急隊員を呼んだからには途中で解約出来ないとすれば良い。それが、救急隊員の社会的な信用を貶めない為の策である。
救急隊員を惑わすような提言をするのか理解不能だ。救急隊員は命を救う為に最大の努力を行うだけで良い。それ以外の仕事は、別の誰かが担えば良い。現場の混乱への対策だとしているが、新たな混乱を引き起こす対策が、現場の負担軽減になる筈もない。


助けないことを是とする仕事に手を広げたら、葬祭場への移動までさせられそうだ。

2017年4月 4日 (火)

テーマパーク、入場者数で明暗 16年度

国内二大テーマパークの明暗が分かれた。オリエンタルランドが運営する東京ディズニーリゾート(千葉県浦安市、TDR)の2016年度入場者数は2年連続で前年割れ。昨年4月の値上げが響いた。一方でユニバーサル・スタジオ・ジャパン(大阪市、USJ)は過去最高を更新した。大型投資で客足を呼び込んだUSJにひとまず軍配が上がった格好だ。
TDRの昨年度入場者数は前年度比0.6%減の3000万人。16年度上期(4~9月)は台風の影響もあり前年同期比0.3%減と苦戦した。下期(10~3月)には東京ディズニーランド(TDL)で今年の1~3月に開催した「アナと雪の女王」の期間限定イベントなどが好調だったが、0.9%減と回復には至らなかった。(日本経済新聞:4月4日)


テーマパークについて考える。


二大テーマパークの年間入場者数の推移から確認する。結果を下に示す。

■ 入場者数推移 (単位:千人)
    年      USJ     TDR
  2001年度   1,1029    22,047
  2002年度    7,637    24,829
  2003年度    9,889    25,473
  2004年度    8,100    25,021
  2005年度    8,314    24,766
  2006年度    8,698    25,816
  2007年度    8,640    25,424
  2008年度    8,138    27.221
  2009年度    7,500    25,818
  2010年度    7,500    25,347
  2011年度    8,800    25,347
  2012年度    9,750    27,503
  2013年度   10,500    31,298
  2014年度   12,700    31,377
  2015年度   13,900    30,191
  2016年度   14,600    30,000


TDRの入場者の年間3万人というのは、これ以上入場者が増えると待ち時間が著しく伸びるという限界値になっているのではないだろうか。2016年4月に1日券を500円値上げしたというが、これが本質的な問題ではないだろう。この手のテーマパークの支払額がらすれば、500円は支配的な要因には思えない。つまり、TDRは新しいアトラクションを追加して、テレビCMを流すことと、テレビ番組内に取り上げて貰うことを併用して認知度を高めてきたが、放送されると混むことをリピーターは知っているから避けられるという結果になる。場所を大幅に広げることも難しいことを考慮すれば、人数はもう少し減っても不思議はないということになる。
この状況は認識されているらしく、人気の高いイベントを打ち出したものの、結果的には混雑状況が悪化したことで、リピーターの定着に向わない結果となった。混雑緩和を実現するのは難しい課題になるから、新しいことをしない方向に行くという選択を取ることになるが、それでは入場者数の減少になるから、結局のところ、何をしても入場者数は減少するのがTDRの置かれて状況ということになる。ベースにあるのは、人手不足というのもある。時給引き上げに踏み切るそうだが、そもそもTDR好きを安く使おうとしている印象があったのだから、一般の労働環境になったというだけだろう。TDRに行くのが好きな人が、TDRで働きたい人だとは思えない。これはどんな仕事にも共通する。TDRは巻き返しを図り2020年までに約2,500億円の大規模投資をするという。毎年500億円の投資計画で、300億円は施設改修にまわす計画になっている。屋外での暑さ、寒さ対策や温水便座の導入などといったソフト面の充実を図るという。それでも、増える対策というより、減らない対策の印象である。

USJの方はというと、過去最高を更新している。新しいアトラクションと、映画作品とリンクして、訪日外国人の集客力を維持している。ハリウッド映画やAKB48の常設ライブ、少年漫画誌のイベントと、新たな試みを幅広く実施している。幅広くというのは褒めているが、節操も無くの方が印象を正しく表現している。入場料を値上げするなど、TDRよりお手頃ということはなくなっている。面積がTDRに比べて狭いことを考慮すれば、年間入場数が2万人を超えると、混雑に対する不満が出てきそうである。大阪市此花区の気象条件がどんな具合か想像もつかないが、夏は暑いし、冬は寒いだろう。高原リゾートでは冬の営業は困難だし、南の島でも、冬は結構寒かったりする。そして、夏には台風が来る。難しいところである。


結構行列に並ぶのが好きな人が来場者だと思っている。それでも、限度があるのか。

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